経営者ってかっこいい

 山岸製作所は、オフィス家具、輸入高級家具、インテリア用品の販売、オフィス内装工事の設計・施工などを手掛けています。働き方の提案を行うオフィスショールーム「リシェーナ」と、暮らし方を提案するインテリアショールーム「リンテルノ」が、事業の柱です。

 同社は1936年、山岸さんの母方の祖父が、小さな木工家具店として創業し、山岸さんの父も社長を務めていました。祖父も父も毎日、忙しく働く姿を見て、山岸さんは「経営者ってかっこいいな」と感じていました。

 山岸さんは野球に打ち込み、進学した東京の大学でも、体育会の硬式野球部に入部。文武両道の学生生活を送ります。当時、4代目社長だった父の助言もあり、卒業後は米国に留学。3年間、語学と経営学をみっちり学びました。

山岸製作所のオフィスショールーム「リシェーナ」(同社提供)

一度は経営コンサル会社へ

 帰国後は山岸製作所に入社する予定でしたが、その頃、父が事情で会社を離れることになり、ライフプランが変わりました。

 「父が辞めたなら、自分も山岸製作所を継がなくてもいいのかなと・・・」。会社を継がないとしても、経営学を生かせる仕事に就きたいと、東京の経営コンサルティング会社に入り、米国や東京のオフィスで勤務しました。

 クライアントの多くは大手企業の経理部でした。「経験が浅かったので、独学で簿記の資格を取るなど、貪欲に勉強をしました」。経営コンサルタントとして東京で働き続けることも視野に入れていたとき、転機が訪れます。

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