目次

  1. ビジネスチャットツール導入のメリット
    1. メッセージをより確実に届けられる
    2. ファイル管理がしやすい
    3. タスク管理がしやすい
    4. グループチャットができる
  2. 定番ビジネスチャットツール5選
    1. Chatwork
    2. Slack
    3. Microsoft Teams
    4. ChatLuck
    5. Wowtalk
  3. ビジネスチャットツールを選ぶときのポイント
    1. 取引先などの関係者がどのビジネスチャットツールを使っているかチェック
    2. ビジネスチャットツールに求める機能を明確にする
    3. セキュリティのチェック
  4. ビジネスチャットツールの運用時に決めておきたいルール
    1. 運用のルール
    2. メッセージ投稿や確認のルール
  5. ビジネスチャットツールで「働き方改革」を

 メール、LINE、SMS等々、いわゆるコミュニケーションツールは多くあります。

 しかし、ビジネスにおいては、ChatworkやSlackといったビジネスチャットツールを用いるのがおすすめです。

 ビジネスチャットツールには、メールなどには無い様々なメリットがあります。

  1. メッセージをより確実に届けられるので、メールで起きがちな誤配信などのリスクを軽減できる
  2. ファイル管理がしやすいので、ワードやパワーポイントのファイルを共同で作る時などに便利
  3. タスク管理がしやすいので、プロジェクト管理の効率がよくなり、時間的なコストも削減できる
  4. グループチャットができるので、コミュニケーションがより密になり、モチベーションとモラルの向上といった期待もできる

 順に、詳しく説明します。

 ビジネスチャットツール導入の最大のメリットは、メッセージをより確実に届けられる点です。

 例えばメールの場合、人によっては毎日大量のメールを受信し、それぞれのメッセージに対応しなければなりません。

 取引先や同僚からのメール以外にも、スパムメールなども大量に送られてきます。

 特にメールの受信数が多いと、特定のメールがどこへいったのかわからなくなったり、あるいは誤ってゴミ箱へ捨ててしまったりするケースも出てくるでしょう。

 さらに、メールソフトによっては、メールを自動的にフィルタリングしてしまうものもあります。

 ビジネスチャットツールでは、メッセージが投稿されると画面でそのことを知らせてくるだけでなく、リマインダーメールを送るものが少なくありません。

 また、メッセージのやり取りは通常、指定されたメンバー間でのみ行うので、メッセージを見落としたりする可能性がメールよりも低いです。

 ファイル管理がしやすいのもビジネスチャットツールのメリットです。

 例えばメールの場合、ファイルを添付したメールをなくしてしまったりすることが少なくありません。

 特に複数の人とメールをやり取りする場合、ファイルを紛失したりするリスクが高まります。

 例えばCCやBCCで複数の人とメールでやり取りをする場合、やり取りする人全員が送受信するメールの数が膨大になりがちです。

 また、メールは必ずしも時系列に受信ボックスに反映されないため、うっかりと添付付きメールをゴミ箱に捨ててしまうといったことも起こりやすくなります。

 ビジネスチャットツールであれば、特定のユーザーやグループでファイル添付が可能で、紛失するリスクは低いです。

 また、ファイル共有システムなどを使えば、ファイル共有がよりスムースに行えます。

 ビジネスチャットツールを用いれば、タスク管理がしやすくなるのも導入のメリットです。

 タスク管理機能を使うことで、タスクのし忘れや遅延などを防ぐことができ、進捗状況などの情報共有も可能になります。

 それによって、社内外のプロジェクトメンバーのスケジュール管理を効果的に行うことが可能になり、プロジェクト全体のスケジュール遅延などを防ぐことが期待できます。

 さらに、スケジュール遅延を防止することで、結果的にプロジェクト全体の予算を抑えることも可能になります。

 ビジネスチャットツールには、グループチャット機能があります。

 グループチャットを使えばメンバー全員でメッセージやファイルが共有でき、やり取りを時系列で情報共有できます。

 「いつ」「誰が」「何を」言い、行ったのかを簡単に把握できるのは、メールなどには無い機能です。

 これらが把握できるようになると、チーム全体の内部統制の強化につながり、モラルの向上も期待できるでしょう。

 何よりも、「言った」「言わない」の状態が生じる可能性を下げることができます。

 では、ここで筆者おすすめの定番ビジネスチャットツール5選をご紹介します。

 Chatwork(チャットワーク)は、Chatworkが開発・提供しているビジネスチャットツールです。国産ビジネスチャットツールとしては、最大クラスのユーザー数を誇ります。

 基本的なチャット機能に加え、ビデオ・音声通話、タスク管理、ファイル管理などの機能が利用できます。

 サーバーとのやり取りはすべて暗号化されているなど、高いセキュリティも特徴です。

 無料版も提供されているので、まずはどんなものか使ってみたいといったケースにぴったりです。

サービス名 Chatwork
開発元 Chatwork
利用形態 クラウド
特徴 ・通常のチャットに加え、グループチャットも利用できる
・ビデオ・音声通話機能が利用できる
・メールでコンタクト招待ができる
おすすめの企業 ・比較的安価にビジネスチャットツールを使いたい企業
・メッセージやファイルなどのセキュリティを確保したい企業
料金 1ユーザー/月額600円~ 無料版あり

Chatworkの公式サイトはこちら。

 Slackは、アメリカのSlack Technologiesが開発・提供しているビジネスチャットツールです。

 「ワークスペース」というグループ単位でプロジェクトを管理でき、ある程度の規模のプロジェクトや管理する人数が多いケースに打ってつけです。

 メンバー、メッセージ、ファイルなどを一か所にまとめられる「チャンネル」という機能も利用できます。

 Googleドライブ、Micorosoft Office365などの外部ツールとの連携も可能です。

サービス名 Slack
開発元 Slack Technologies
提供形態 クラウド
特徴 ・検索機能やファイル共有機能が優れている
・ID/デバイス管理機能があり、ユーザーごとに権限などが設定できる
・データ保護など、高いセキュリティを確保している
おすすめの企業 ・Googleドライブなどの外部のツールと連携させたい企業
・プロジェクトや利用するユーザーが比較的多い企業
・外部スタッフとのやり取りが頻繁にある企業
料金 1ユーザー/月額960円~ 無料版あり

Slackの公式サイトはこちら。

 Microsoft Teamsは、Microsoftが開発・提供しているビジネスチャットツールを含むビジネスコミュニケーションプラットフォームです。

 Micorosoft 365ファミリーの一製品として提供され、ビジネスチャットツールのほか、ビデオ会議システム、電話システム、ファイル共有ストレージなども利用できます。

 Microsoft Teamsは、ビジネスチャットツールとしてより、ビデオ会議システムとして使われるケースも多いようです。

サービス名 Microsoft Teams
開発元 Microsoft
利用形態 クラウド・パッケージソフトウェア
特徴 ・Micorosoft 365ファミリーの一製品として提供されている
・ビジネスチャットツールのほかに、ビデオ会議システム、電話システム、ファイル共有ストレージなども利用できる
おすすめの企業 ・Microsoft 365を既に使用している企業
・WordやExcelなどのファイルを大量にやりとりする企業
・ビデオ会議を頻繁に行う企業
料金 1ユーザー/月額650円~ 無料版あり

Microsoft Teamsの公式サイトはこちら。

 ChatLuckは、ネオジャパンが開発・提供しているビジネスチャットツールです。

 クラウドのほかにオンプレミスでも利用可能なので、VPN、LGWAN、ネットワーク分離などの様々な案件に対応できます。

 そのため、外部の脅威や情報漏洩などのリスクに晒すことができないクリティカルなシステムを社内に構築していて、あえてインターネット分離をしているケースなどに適したツールです。

 チャット・グループチャットなどの基本的機能に加え、ファイル共有、写真・動画共有、ビデオ通話システムなども利用することが可能です。

サービス名 ChatLuck
開発元 ネオジャパン
利用形態 クラウド・オンプレミス
特徴 ・クラウドのほかにオンプレミスでも利用できる
・チャットではテキストのほかに絵文字、スタンプ、リッチテキスト、位置情報などがやり取りできる。
・チャットでのやり取りはSSL暗号化され、高いセキュリティを確保している
おすすめの企業 ・クリティカルなシステムを社内に構築している企業
・画像や動画などのファイルを大量に共有する企業
料金 1ユーザー/月額300円~(クラウド)無料期間あり

Chatluckの公式サイトはこちら。

 Wowtalkは、ワウテックが開発・提供している、導入企業一万社以上という実績を持つビジネスチャットツールです。

 チャット・グループチャットでは通常のテキストメッセージに加え、英語、中国語、韓国語などの22カ国の言語にリアルタイムで翻訳する機能が搭載されています。

 また、自然災害などの発生時に社員の安否確認をする機能や、タスク管理、ビデオ通信機能なども利用できます。

サービス名 Wowtalk
開発元 ワウテック
利用形態 クラウド
特徴 ・チャットでやり取りされるメッセージを22カ国の言語にリアルタイムで翻訳できる
・自然災害発生時に社員の安否確認を行える
・チャットでのやり取りはSSL暗号化され、高いセキュリティを確保している。ストレージも暗号化している
おすすめの企業 ・比較的簡単にビジネスチャットツールを導入したい企業
・海外企業とのチャットを多く行う企業
・高いセキュリティを確保したい企業
料金 1ユーザー/月額300円~

Wowtalkの公式サイトはこちら。

 ビジネスチャットツールには、上述したツールだけが使われているわけではありません。

 別のビジネスチャットツールを選ぶ必要が出てきたら、以下にまとめたポイントを参考にしてみて下さい。

 最初のポイントは、取引先などの関係者がどのビジネスチャットツールを使っているかをチェックすることです。

 特にそれなりにビジネスチャットツールを使いこなしているといったケースでは、他のビジネスチャットツールを使うことを嫌がる可能性もあります。

 一般的には、上述したChatwork、Slack、Micorosoft Teamsを使う企業が多いようです。

 また、ビジネスチャットツールに求める機能を明確にすることも重要なポイントです。

 例えば、チャット・グループチャットのほかに、タスク管理、ビデオ通話、ファイル共有などの必要な機能を明確にし、優先順位を付けておくといいでしょう。

 その上で各ビジネスチャットツールの特徴と照らし合わせると、より早く、またコスト的にも自社に適したツールに出会えます。

 多くのビジネスチャットツールは、メッセージのやり取りやストレージなどを暗号化し、相応のセキュリティを確保しています。

 しかし、ビジネスチャットツールのすべてがそうではないため、導入する前にチェックし、不安なら一度問い合わせた方がいいでしょう。

 ビジネスチャットツールは、さまざまなメリットがある利便性の高いツールです。

 しかし、ビジネスシーンで、かつ多人数で使うことから、プライベートチャットと同じような使い方だとトラブルになる可能性もあります。

 最後に、ビジネスチャットを安全に運用するために、念のため用意しておきたいルールを2つご紹介します。

 まずは、真っ先におさえてほしい運用ルールを決めておくといいでしょう。

 例えば、社外秘の情報を開示しない、個人などの誹謗中傷をしない、参加者の個人情報は発信しない等々です。

 また、外部とのやり取りが多いケースでは、機密情報や知的財産などに関する情報が外部に漏れないように、情報秘匿に関するルールも決めておきます。

 グループチャットの場合、参加者の数が多いとメッセージのやり取りやスレッドがそれなりの量になります。

 その場合、メッセージは本当に必要なものに限定する、メッセージを読んだことは「了解」や「既読」スタンプを押すことで良しとするといったルールを決めておくといいでしょう。

 在宅ワークやリモートワークなどの普及が示す通り、我が国のワークスタイルは大きく変わりつつあります。

 ビジネスチャットツールとは、そうしたワークスタイルを推進するための強力なビジネスツールです。

 自社に適したビジネスチャットツールを導入し、御社の「働き方改革」を実現させましょう。