目次

  1. 奈良の地場産業、靴下業界の抱える課題解決から始まった
  2. 流行りでも短期的な成功も目指さないコラボ
  3. リアリティのあるブランディングの機会を高校生に提供
  4. ルールは1つだけ あとはご自由に!
  5. デザインは用途から社会問題へ
  6. 高校生は販売まで支援 メディアに露出
  7. 必要な産業支援はアイデア+具体的なアクション

 靴下はいま、3足1000円では満足してもらえず、ここ数年、さらに安価な製品が店頭に並ぶようになりました。メーカーも苦境に立たされ、靴下を地場産業の一つとしてきた奈良県広陵町、大和高田市周辺の企業は大幅な減少傾向にあります。

 そんななか、奈良県広陵町にある靴下製造企業の後藤(正)靴下工場は、後藤政弘社長の母校である大和高田市立高田商業高校の学生と一緒にコラボ靴下づくりを始めました。

高田商業高校の高校生と後藤(正)靴下工場による開発会議

 地域商店街の衰退、地場産業の衰退。共に多くの地方都市が抱える2つの悩みに様々な提案をしてきた広陵高田ビジネスサポートセンターKoCo-Biz(ココビズ) では2回目となる高校生企画です。

 今回のプロジェクトは過去にあった女子高生マーケティングの様な短期的な商業活動を目指したものではありません。

 高田商業高校が独自に取り組んでいる プロジェクトでは、レトルトの「すき焼き」を製造、販売しています。百貨店や道の駅などで販売し、関西エリアのコンビニおにぎりの具材にもなりました。

高田商業高の名物「すき焼き」がコンビニのおにぎりに(朝日新聞のデータベースから)

 この「すき焼き」は、高田商業高校で上級生から下級生に振る舞われる伝統の食事で、地元の方々も知る名物の1つとなっています。高校生が製品、商品の企画をし、地域の農産物、特産物の有効活用を考え、また販売まで一気通貫するビジネスモデルをここ大和高田市では実現できています。

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