目次

  1. 価格競争に陥らない新商品の方向性を悩んでいた
  2. 東北珍味の強み=「使い勝手の良い形で商品を届ける力」
  3. 女性目線の届け方「脱おじ」を新提案 決め手は自社開発力
  4. 「脱おじ」シリーズ誕生
  5. 価格勝負ではなく「仕入れたい」と指名される商品へ

 東北珍味は製造元や一次卸など50社ほどの仕入先をもち、卸先は地域に100店以上あり、スーパーや酒屋、産直、道の駅、居酒屋や宿泊施設など多岐に渡ります。製造しないものの加工はでき、つまみや珍味を仕入れ、必要に応じて加工し、パック詰めをして商品に仕上げて販売しています。

 東北珍味の岩月薫さんがY-bizを訪れたのは2020年7月。販路維持や販路拡大において価格競争に陥らないための新商品を開発したいという相談でした。

手詰め作業の様子

 商品によっては他社も同じ珍味やつまみを扱うことができ、また類似製品も多いことから商品に特徴がないと、価格競争に陥りやすいという課題がありました。そのため、味のついていない銀杏に県産の“酒田の塩”をまぶすなど、独自の加工を施す工夫を続けてきました。

 新たにオリジナリティのある商品を開発したいが、加工の範囲で打開策となる商品が作れるのか、製造を外注して新たな商品を開発するほうがいいのか、そもそもどういった商品をつくればいいのか、岩月さんは方向性を悩んでいました。

 製造を外注して商品を開発・製造する場合、製造の最小ロットが大きくなりがちなことから在庫リスクや製造原価増が考えられます。自社での開発に比べてトライアンドエラーを繰り返しにくいという課題もあります。味やターゲット、シーンの方向性が定まっていないなかで新しい珍味を外注して開発することは課題が大きいと感じました。

 東北珍味の商品ラインナップを確認したところ、主力商品はB5からA4サイズ程の大きさの、アルミと透明なビニールでできた袋にパック詰めされた商品。どういった人がどういう場所で購入しているか聞いたところ、客層として想定しているのは男性で、小売先ではつまみ類のコーナーに置かれているとのことでした。

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