目次

  1. 酔っぱらうためのお酒と思って
  2. 日本酒への興味と関心に驚く
  3. 酒販店でワインを学ぶ
  4. 酒造りを効率的でシンプルに
  5. 家族で楽しめる「蔵開き」
  6. 地元を巻き込んだ新商品開発
  7. 新しい飲み方を続々と提案
  8. 飲めない人も楽しめる酒蔵に

――笹口さんは子どものころから酒蔵を継ぐと思っていましたか。

 子どものころは、現在の酒蔵から少し離れた新潟市西区にいて「親はお酒に関わった仕事をしている」程度の認識でした。高校生になって今の酒蔵の近くに住みましたが、「早く東京に出たい」という一心で、法政大学経済学部に入学しました。日本酒との出会いは、大学3年生の終わりくらいです。大学生ゆえ、酔っぱらうためのアルコール度数が高いお酒という認識でした。

――お酒に関わるようになったきっかけは。

 笹祝酒造の当時の営業担当から「酒蔵の息子ならお酒に関わる店でバイトしたら?」と勧められ、名酒センターというお店を紹介してもらったのがきっかけです。名酒センターは、故・武者英三さんが東京・浜松町(現在は御茶ノ水)に創業した、1セット3種類の日本酒を立ち飲みで楽しめる角打ちスタイルのお店です。

――名酒センターではどのような仕事をしましたか。

 普通の居酒屋と違い、ちょっとしたおつまみと3種類のお酒を楽しむ人たちばかりでした。バイトは開店前に、ぬか床をかき混ぜる、おつまみをセットするなどの仕事を行います。お客様が来店したら名酒センターのシステムを説明し、冷蔵庫から好きなお酒を3種類自由に選んでもらいます。3種類のセットは、店員にお任せのパターンが多かったです。その際、なるべく笹祝酒造のお酒を忍ばせ、感想を聞いたり、蔵の息子であることを伝えたりしていました。

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