目次

  1. 業務改善助成金とは
  2. 業務改善助成金の拡充のポイント
    1. 対象事業場の拡大
    2. 賃金引き上げ後の申請
    3. 助成率区分の見直し
  3. 申請書の簡易作成ツールを公表
  4. 最低賃金引き上げの注意点

 業務改善助成金は、業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げるための制度です。

 機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練など生産性向上のための設備投資をし、最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資にかかった費用の一部を助成します。

 厚労省は、2023年8月31日から業務改善助成金を拡充しました。ポイントは以下の3つです。

  1. 対象となる事業場について、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内から50円以内に拡大
  2. 事業場規模50人未満の事業者について、賃金引上げ後の申請を可能とする
  3. 事業場内最低賃金額に応じて設けた助成率の区分を30円引き上げる

 今までは、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場が助成対象でしたが、拡充後は事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内の事業場まで対象になります。

 今までは、事前に以下の計画を提出する必要がありました。

  • 賃金引き上げ計画
  • 事業実施計画(設備投資等の計画)

 拡充後は、事業場規模50人未満のみ、2023年4月1日から12月31日までに賃金引き上げを実施していれば、賃金引き上げ計画の提出は不要となりました。ただし、以下の提出は必要です。

  • 賃金引き上げ結果
  • 事業実施計画(設備投資等の計画)

 助成金の助成率区分は次のように変わります。

今までの事業場内最低賃金 拡充後の事業内最低賃金 助成率
870円未満 900円未満 9/10
870円以上920円未満 900円以上950円未満 4/5(9/10)
920円以上 950円以上 3/4(4/5)

 ※()内は生産性要件を満たした事業場の場合

 厚労省の公式サイトでは、申請書の簡易作成ツールが公表されています。申請時に活用してみてください。

 業務改善助成金の申請を検討している場合、10月から順次発効される地域別最低賃金の改定額に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、発効日の前日までに引き上げる必要があるので注意しましょう。