全銀システムの不具合で延滞金や遅延損害金などを補償へ 全銀ネット
全国銀行データ通信システム(全銀システム)で2023年10月10日から10銀行で他行あての振込取引ができなくなったことに対し、全国銀行資金決済ネットワークは18日、個人や企業など顧客に生じた手数料や延滞金などの損害は各金融機関が主体となって補償する方針を明らかにしました。
全国銀行データ通信システム(全銀システム)で2023年10月10日から10銀行で他行あての振込取引ができなくなったことに対し、全国銀行資金決済ネットワークは18日、個人や企業など顧客に生じた手数料や延滞金などの損害は各金融機関が主体となって補償する方針を明らかにしました。
全銀ネットによると、全国銀行データ通信システム(全銀システム)とは、現金を送る人の取引銀行から、現金を受け取る人の取引銀行に対して支払うための決済システムです。
国内におけるほぼすべての預金取扱金融機関が接続し、相互間の振込や送金をオンライン・リアルタイムで処理しています。
全銀システムは、2018年から、平日日中(8時30分~15時30分)の振込に対応する「コアタイムシステム」と平日夜間(15時30分~8時30分)および休日の振込に対応する「モアタイムシステム」を使うことで24時間365日稼動しています。
2023年9月末時点で、利用金融機関は銀行・信用金庫・信用組合・農協・ゆうちょ銀行など1133機関、店舗数は2万9456店舗に上ります。2022年度実績で、取扱件数は年間約22億件、取扱金額は年間約3546兆円に上ります。
全銀システムは、平日日中の処理を行う「コアタイムシステム」と平日夜間および休日の処理を行う「モアタイムシステム」と各金融機関をつなぐ「中継コンピュータ(RC)」から構成されています。このうち、10月7~9日、RCの新機種への更改を14の金融機関で実施していました。
すると10日のコアタイムシステムの通信開始(8時30分)後、10行(三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫)で更改したRCの電文の送受信ができなくなりました。
この原因について、この10行では、ある銀行から別の銀行へ振り込みをする際、あらかじめRCに設定されたテーブルを参照して、RCが電文に金額を入力する作業でエラーが発生していることが確認できたといいます。
事実認識・課題認識、障害の発生原因分析のほか、改善・再発防止策などについては、全銀ネットが金融庁に11 月末までに報告を取りまとめる予定です。
全銀ネットは、全銀システム障害により、「振込ができない」「着金が遅れた」など追加の費用支払いが発生した直接的な損害に対し、補償することが望ましいとの考え方を示しました。具体的には、個人や企業が追加負担した費用が対象となる見込みです。
補償の主体は、利用者と直接取引を行う全銀ネット加盟金融機関各行だと説明しています。
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