目次

  1. プロの料理人も来店
  2. 父とは「仲が悪かった」
  3. 積みあがった負債にがく然
  4. スーパーとIT企業を同時経営
  5. ブランドブックで理念を共有
  6. 遠方の客も引き寄せたSNS活用
  7. 老舗佃煮店ののれんを継承
  8. 新時代の「ほんまもん」を求めて

 フレンドフーズは京都・下鴨(しもがも)にある1977年開業のスーパーです。店舗面積は約200平方メートル、スタッフ90人(うち正社員33人)。郊外の大型スーパーに比べ、こぢんまりとした印象です。

フレンドフーズは住宅地にあります

 しかし、足を踏み入れた瞬間、商品の量と種類の多彩さに圧倒されます。木おけで造られたしょうゆ、非加糖のフルーツジュース、栄養素を残す精米したおかきなど年間約3万品目が並び、「ほんまもんが手に入る」と他府県の客も引きつけています。

フレンドフーズの店内。しょうゆだけで約30種類が並びます(同社提供)

 藤田さんは「たとえば、鮮魚なら社員が福井県の小浜港へ出向き、競りから参加しています。淡路島の福良港からも直送があり、プロの料理人の方々も買いに来てくださいます」と胸を張ります。

 イセエビやアワビが生きたまま店頭に並んだり、高級魚クエや珍しいコバンザメが入荷したり。スイーツ売り場には専属パティシエを置き、他店と差別化しています。

 同社の年商は11億円。前年度からの売り上げ上昇率は6%で、藤田さんが2018年に承継して以来、アップし続けています。

「魚市場で競りから参加し、高級魚を仕入れています」と藤田さん

 フレンドフーズは1979年、藤田亮一さんが創業しました。大分県でゴムの卸問屋を営んでいた亮一さんは1960年、妻の実家があった京都に移住。現在地の下鴨に喫茶店「ブラジル」を開店します。三角窓を採り入れたモダンなデザインが目を引き、映画撮影や自動車のCMに使われました。

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