東京インテリア家具、独占禁止法の確約手続で取引業者に1.66億円返金へ
公正取引委員会によると、家具販売大手の東京インテリア家具(東京都荒川区)は、福島県沖で起きた地震被害の損失の一部を補塡させていたことなどについて、独占禁止法(優越的地位の濫用)の規定に違反する疑いがあったといいます。そこで、東京インテリア家具は約120の納入業者に約1億6600万円を返金するといった確約計画を申請し、公正取引委員会が認定しました。
公正取引委員会によると、家具販売大手の東京インテリア家具(東京都荒川区)は、福島県沖で起きた地震被害の損失の一部を補塡させていたことなどについて、独占禁止法(優越的地位の濫用)の規定に違反する疑いがあったといいます。そこで、東京インテリア家具は約120の納入業者に約1億6600万円を返金するといった確約計画を申請し、公正取引委員会が認定しました。
公取委によると、東京インテリア家具は、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、九州地区で、店舗「東京インテリア家具」を展開しています。店舗数は、2016年5月時点で約40店舗でしたが、2022年6月時点には約50店舗まで増えています。
公取委が指摘している、取引業者に対する優越的地位を濫用した東京インテリア家具の独占禁止法の違反被疑行為は以下の通りです。
新規開店または改装開店で、自社商品以外も含めて店舗への商品の搬入、陳列などの作業をさせるため、あらかじめ派遣条件について合意することなく、また、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、納入業者の従業員を派遣させていたといいます。
新規開店の際、「オープン協賛金」などの名目で、合理的な範囲を超えた負担となるにもかかわらず、納入業者から開店前に納品される商品の納入金額に5%を乗じて算出した額などの金銭を提供させていたといいます。
福島県、宮城県、岩手県の店舗で2021年2月と2022年3月に福島県沖で発生した地震で壊れるなどした商品について、値引きや廃棄による損失を納入業者に補塡させていたといいます。
公正取引委員会は2023年11月22日、東京インテリア家具に確約手続についての通知を行ったところ、東京インテリア家具から以下の確約計画の認定を求める申請があったため認定したと公表しました。
公取委によると、確約手続とは、独占禁止法違反の疑いがある行為について、公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決する仕組みです。
確約手続に関する通知を受けた事業者が自主的に確約計画を提出し、公正取引委員会が認定した場合、排除措置命令や課徴金納付命令を受けずに済ませられるとして、問題をより早く解決しやすくなったといいます。
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