パルシステムが下請法違反 約2770万円の下請代金を減額 公取委が勧告
PB(プライベートブランド)商品の製造を委託している下請事業者5社に対し、特売名目などで支払代金を不当に減額した行為が下請法違反にあたるとして、公正取引委員会は2024年9月4日、パルシステム生活協同組合連合会に対し、再発防止などを勧告したと発表しました。パルシステムは8月6日、下請事業者5社に対し、減額分2770万9078円を支払い、問題と判断された取引形態を廃止したと公表しました。
PB(プライベートブランド)商品の製造を委託している下請事業者5社に対し、特売名目などで支払代金を不当に減額した行為が下請法違反にあたるとして、公正取引委員会は2024年9月4日、パルシステム生活協同組合連合会に対し、再発防止などを勧告したと発表しました。パルシステムは8月6日、下請事業者5社に対し、減額分2770万9078円を支払い、問題と判断された取引形態を廃止したと公表しました。
パルシステムの公式サイトによると、パルシステムは「一人ひとりのくらしに寄り添い、挑戦を続けてきた生協です」と紹介しています。生協の宅配は「グループ宅配」が基本だった 1990年代に、全国に先がけて「個人宅配」を始めたといいます。 1都12県、約170万世帯が利用する組織へと広がりました。
公取委は、パルシステムが資本金の額が3億円以下の法人たる事業者に対し、会員たる生活協同組合に販売する食料品等のPB商品の製造を委託している取引を「下請取引に該当」すると判断。
そのうえで、パルシステムは、以下の額を下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、特売条件やDC利用料名目で、下請代金の額を減じていた行為が下請代金支払遅延等防止法(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為と認定。減額した金額は、下請事業者5社で総額2770万9078円に上ります。
公取委は、以下の点について理事会の決議で確認するよう勧告しました。
パルシステムの公式サイトは、公取委の勧告に対しコメントを発表しました。
該当すると判断された減額金等の総額は、2023年4月から2024年6月までの2,770万9,078 円です。なお、該当の事業者のみなさまに対しては8月6日(火)、上記の全額を返金しました。あわせて問題と判断された取引形態を廃止しています。
パルシステム公式サイト
弊会では、日ごろからご協力、ご支援いただいている事業者のみなさまとの取引において、本勧告を受けるに至った事態を重く受け止めています。下請法をはじめとする法令遵守につきましては、役職員一同、あらためて認識と自覚を強めるとともに、役職員への教育の徹底や点検体制の強化など、再発防止への体制整備に努めてまいります。
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