目次

  1. 9月・10月は食品値上げも
  2. 建設業法・入契法の一部の改正(2024年9月~)
  3. 社会保険の適用範囲拡大(2024年10月~)
  4. 代表取締役の住所、非公開可能に(2024年10月~)
  5. 経営セーフティ共済の改正(2024年10月~)
  6. 最低賃金の引き上げ(10・11月~)
  7. 改正雇用保険法、教育訓練給付を拡充(2024年10月~)
  8. 自動車運送事業者への行政処分、厳格化(2024年10月~)
  9. 先発医薬品(長期収載品)の選定療養(2024年10月~)
  10. 景品表示法、確約手続きを導入(2024年10月~)
  11. OBD検査の本格運用開始(2024年10月~)
  12. スマート農業技術活用促進法が施行(2024年10月~)
  13. 郵便料金値上げ レターパックも(2024年10月~)
  14. 手形サイト、60日以内に短縮へ(2024年11月~)
  15. kintone、値上げ(2024年11月~)
  16. 労災保険の特別加入、フリーランスも(11月~)
  17. 自転車の「ながら運転」と酒気帯び運転に罰則(11月~)
  18. 2025年から変わること
  19. 2026年から変わること

 帝国データバンクによると、2024年9月と10月は食品の値上げのタイミングにもなっています。主要な食品メーカー195社に調査したところ、家庭用を中心とした9月の飲食料品値上げは1392品目を数え、前々年・前年同月よりは小規模ですが、5ヵ月ぶりに1千品目を超えました。10月の食品値上げ予定品目数は3千品目前後の着地が予想されています。

月別値上げ品目数の推移
月別値上げ品目数の推移(帝国データバンクのプレスリリースから)

 食品分野別に2024年9月の値上げをみると、冷凍食品を中心とした「加工食品」が全食品分野で最も多い757品目となり、9月全体の約半数を占めました。

 みそ・しょうゆ製品やスパイス製品など「調味料」(193品目)は、前年同月(1257品目)に比べて1割強の水準でしたが、「菓子」(169品目)はラクトアイスなど「乳製品」(99品目)を含め冷菓製品で値上げラッシュとなりました。

 また、菓子では「チョコレート製品」の値上げも多く、「酒類・飲料」(135品目)の中心となるコーヒー飲料同様に、豆不足「ビーンショック」の影響が長期化しているとみられます。

 建設業の担い手確保を目的とした建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)の改正について、「労務費の基準」や工事契約の調査を建設業法に位置づけるとする一部の改正規定が2024年9月1日に施行されることになりました。

 2024年10月、社会保険の適用対象がさらに拡大されます。2024年10月以降は、企業の規模要件が常時100人超から常時50人超に変わります。

 これまで社会保険の適用外となる働き方をしていたパートタイマーも、改正により新たな加入対象となり得るため、企業と従業員双方に大きな影響が予想されます。

 2024年10月1日施行の商業登記規則等の一部を改正する省令により、これまで会社登記簿謄本(登記事項証明書)などで公開されていた代表取締役の住所を非公開できる制度「代表取締役等住所非表示措置」が始まります。

 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先の倒産で、中小企業が連鎖倒産などに陥ることを防ぐための制度です。しかし、節税を目的として、短期間で脱退・再加入を繰り返す事例が増えているため、2024年10月から共済契約を解約し、再度契約を締結すると、解約日から2年間は損金算入をできなくする方針です。

 中央最低賃金審議会は、2024年度(令和6年度)の地域別最低賃金額改定の目安について答申を取りまとめました。目安は、47都道府県で一律50円を引き上げ、全国で平均1054円となりました。

 しかし、中央最低賃金審議会は、2024年度(令和6年度)の地域別最低賃金額改定について47都道府県で一律50円を引き上げ、全国で平均1054円とする目安を示しました。しかし、2024年は27県の地方最低賃金審議会で、目安を上回る51~84円引き上げるとする答申が出ました。

 雇用保険の対象拡大や教育訓練、リスキリング支援の充実などを盛り込んだ改正雇用法権法が可決・成立し、順次施行されていきます。2024年10月から変わるのが、教育訓練給付の拡充です。

 国土交通省は2024年10月1日から自動車運送事業者に対する行政処分の基準を改正し、トラック、バス、タクシーなどの酒酔い・酒気帯び運転の行政処分基準を強化するほか、トラックについては、勤務時間等告示の遵守違反・点呼の未実施の場合の処分量定を引き上げます。

 2024年10月から後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品「長期収載品」の処方を希望する患者は、医療上の必要がある場合を除き、通常の一部負担金(1~3割)に加え、特別の料金が必要になります。

 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)が2024年10月1日から改正されます。事業者の自主的な取り組みを進め、違反行為に対する抑止力を強化するための確約手続きの導入や罰則規定の拡大など、事業者側にとって注意が必要な改正です。

 OBD検査は、自動運転技術等の電子装置に搭載された自己診断機能である車載式故障診断装置(OBD)を利用した新たな自動車検査手法です。

 2024年10月以降、使用過程における検査(いわゆる車検)の際、車検証の備考欄に「OBD検査対象」などの記載がある車両については、通常の検査項目に加えてOBD検査を実施する必要があります。

 スマート農業技術を活⽤して⽣産性向上に取り組む農業者への新たな⽀援を盛り込んだ「スマート農業技術活用促進法」が2024年10月1日から施行されます。「生産方式革新実施計画」と「開発供給実施計画」の2つの認定制度を設け、認定を受けた農業者や事業者は税制・融資面での優遇を受けやすくなります。

 日本郵便は2024年10月1日から郵便料金を値上げします。定形郵便、定形外郵便だけでなく、レターパックや速達、切手類への交換手数料なども対象となります。新しい料金の普通切手は、9月2日9時から発売します。

 手形サイトとは、一括決済方式の場合、手形交付日から手形金の入金日までの期間のことを指します。2024年11月から手形サイトが60日を超えるものが下請法違反の対象となる予定です。

 サイボウズは2024年11月1日から「kintone(キントーン)」をはじめとする各種サービスの価格を改定し、kintone、メールワイズの最小契約ユーザー数も改定すると発表しました。kintoneライトコースの場合、1ユーザーあたり月780円から1000円に値上げします。

 2024年11月1日から、フリーランス(特定受託事業者)も、労災保険に特別加入できるようになります。 

 道交法改正により2024年11月1日から自転車に乗りながらスマートフォンを使う「ながら運転」と酒気帯び運転について、罰則付きで違反となります。

 2025年も重要な法改正・制度変更などがたくさんあります。自社経営に関わる項目がある場合は事前に準備を進めておきましょう。

介護事業者の経営情報の報告の義務化、2025年1月開始
建築物省エネ法、2025年4月からの変更も 省エネ基準適合の義務付け
自己都合離職者の給付制限の見直し、2025年4月から
育児休業給付の財政基盤の強化、2025年4月から
雇止めによる離職者の基本手当改正、2025年4月から
就業促進手当の廃止等、2025年4月から
育児休業給付の延長手続き、2025年4月から厳格化 ハローワークで判断
車検更新、2ヵ月前からに緩和 国土交通省が改正 2025年4月施行
高年齢雇用継続給付、2025年4月から「賃金の原則10%」へ縮小
公益法人制度、2025年4月からの3つの改正ポイント 資金活用を柔軟化
流通業務総合効率化法・貨物自動車運送事業法、2025年5月までに改正
衣類の取り扱い表示のJIS改正 経過措置は2025年8月まで
Windows10、2025年10月にサポート終了 有償サポートは継続

 2026年もすでに改正が決まっていることがあります。

公益信託を使いやすくする法律、2026年4月施行へ 担い手の範囲拡大
イベントデータレコーダーとは 2026年12月から新型の大型車に義務化
リース会計基準が2026年に改正 変更点や企業がすべき準備を解説