イベントデータレコーダーとは 2026年12月から新型の大型車に義務化
国土交通省は2026年12月から新型の大型車に対し、段階的にイベントデータレコーダー(EDR)の搭載を義務付けることを発表しました。ドライブレコーダーとの違いのほか、国連基準で定めている大型車EDRの作動イメージや大型車EDR記録情報等の特徴について紹介します。
国土交通省は2026年12月から新型の大型車に対し、段階的にイベントデータレコーダー(EDR)の搭載を義務付けることを発表しました。ドライブレコーダーとの違いのほか、国連基準で定めている大型車EDRの作動イメージや大型車EDR記録情報等の特徴について紹介します。
目次
イベントデータレコーダー(英語はEDR:Event Data Recorder)とは、事故時に車両の制御等に関する情報(加速度、安全装置の作動状態等)を記録する事故情報計測・記録装置のことを指します。
ドライブレコーダーは車両周辺や車内の映像等を記録するものです。一方で、EDRは事故直前の加速度などの車両の挙動や装置の状態に関するデータを記録するもので、事故原因の究明や再発防止策の検討に役立てることができます。
今回のEDR義務化は、国連自動車基準調和世界フォーラムで、大型車の事故時の車両情報(加速度、ステアリング操作、衝突被害軽減ブレーキの作動状態等)を記録するために備えるEDRについて国連基準が成立したことを受けての対応です。
国土交通省は、道路運送車両の保安基準などを一部改正し、乗車定員10人以上の乗用車及び車両総重量3.5tを超える貨物車を対象として、EDRの搭載を2026年12月1日以降の新型車から義務化することを決めました。継続生産車は2029年12月1日以降の適用となります。
国連基準は以下の通りです。
大型車EDRが作動するきっかけ(トリガー)は以下のいずれかの事象を感知した場合に事故時の車両の制御等に関する情報を記録します。
急減速:一定レベル以上の急減速を検知
車両停止:車両が完全に停止
安全装置作動:エアバッグ、ABS、AEBS等の作動
大型車EDRの作動のメカニズムは以下の通りです。
EDRに記録される情報は以下の通りです。
記録情報の内容 (一部抜粋) | 記録時間〔秒〕 (事故発生時を0秒とする) |
---|---|
加速度 | -20~10 |
車両速度 | -20~10 |
アクセル・ブレーキ・ステアリング操作 | -20~10 |
シートベルト着用有無 | -1.0 |
衝突被害軽減ブレーキの作動状態 | -20~10 |
自動操舵機能の作動状態 | -20~10 |
今回、道路運送車両の保安基準等の一部改正では、EDR以外にも次の改正も含まれています。
2024年6月20日から、バス(乗車定員10人以上の乗用車)にビルトイン型(座席一体型)のチャイルドシートを備える場合には、従来のチャイルドシートと同等の乗員保護性能を確保する構造にすること等の要件を満たさなければならないこととします。
2026年9月1日からは、ヘッドレストを備える場合、その座席位置にかかわらず、運転席に備えるものと同等の乗員保護性能を確保する構造にすること等の要件を満たさなければならないこととします。
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