雇用保険法の改正内容と施行日一覧 雇用保険の対象拡大・教育訓練拡大など
雇用保険の対象拡大や教育訓練、リスキリング支援の充実などを盛り込んだ改正雇用保険法が2024年5月の参議院本会議で可決・成立しました。改正内容は多岐にわたり、施行日も異なるため、厚生労働省の説明資料をもとに、施行日順に整理しました。
雇用保険の対象拡大や教育訓練、リスキリング支援の充実などを盛り込んだ改正雇用保険法が2024年5月の参議院本会議で可決・成立しました。改正内容は多岐にわたり、施行日も異なるため、厚生労働省の説明資料をもとに、施行日順に整理しました。
目次
厚労省の公式サイトによると、教育訓練給付とは、教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。
賃金アップや再就職など教育訓練の効果を高めるため、2024年10月からの改正で、中長期的キャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練講座を対象として「専門実践教育訓練給付金」について、教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合、現行の追加給付に加えて、更に受講費用の10%(合計80%)を追加で支給します。
速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練講座を対象とする「特定一般教育訓練給付金」についても、資格取得し、就職等した場合、受講費用の10%(合計50%)を追加で支給します。
自己都合離職者には、失業給付(基本手当)の受給について、待期満了の翌日から原則2ヵ月間(5年以内に2回を超える場合は3ヵ月)の給付制限期間があります。
しかし、2025年4月からの見直しにより、離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限を解除します。さらに、原則の給付制限期間を2ヵ月から1ヵ月へ短縮します(5年間で3回以上の自己都合離職の場合の給付制限期間は3ヵ月)。
厚労省の公式サイトによると、育児休業給付とは、子の出生後8週間や1歳までに育児休業を取得した場合に、雇用保険の被保険者に支給される制度です。
支給額は年々増加しているため、国庫負担を増やしつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、保険料率を2025年度から0.5%に引き上げる改正をしつつ、実際の料率は保険財政の状況に応じて弾力的に調整する仕組みを始めます。
雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付(雇用機会が不足する地域における給付日数の延長)、教育訓練支援給付金(45歳未満の者に基本手当の80%を訓練受講中に支給)は、2024年度末までの暫定措置とされています。
そこで、2025年度からは、教育訓練支援給付金の給付率を基本手当の60%とした上で、2年間延長します。
厚労省の公式サイトによると、就職促進給付とは. 就職促進給付とは、早期再就職を促進することを目的とし、「再就職手当」、「就業促進定着手当」、「就業手当」等が支給されるものです。
このうち、就業手当は、受給資格者が職業に就いた場合、所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上を残して就業をした場合に、就業日ごとに基本手当日額の30%相当額を支給する制度です。これを2025年度から廃止します。
就業促進定着手当は、基本手当受給者が早期再就職し、再就職後6か月間定着した場合に、離職前の賃金から再就職後賃金が低下していた場合、低下した賃金の6ヵ月分を支給する制度です。基本手当支給残日数の40%相当額が上限でしたが、2025年度からは20%に引き下げます。
労働者が自発的に、教育訓練に専念するために仕事から離れる場合、生活費の不安なく専念できるよう2025年10月から教育訓練中の生活を支えるための給付を創設します。
厚労省の公式サイトによると、雇用保険とは、失業や教育訓練などに対して給付を支給する制度です。
雇用労働者のなかで働き方や生計維持の在り方が多様化し、週間就業時間が20時間未満の雇用者数が500万人を超えています。こうした動きに対応するため、2028年10月からは雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大します。
被保険者期間の算定基準も従来は「賃金の支払の基礎となった日数が11日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある場合を1月とカウント」としていましたが、改正後は「賃金の支払の基礎となった日数が6日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が40時間以上ある場合を1月とカウント」とします。
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