目次

  1. 公益信託とは
  2. 新しい公益信託制度のポイント
    1. 担い手の範囲が拡大
    2. 信託財産·信託事務の範囲が拡大
    3. 透明性の高い認可·監督の仕組みへ

 内閣府の特設サイトによると、公益信託とは、公益法人のように機関を設けることなく、信託財産及び受託者の組織・能力を活用して、委託者の意思を反映した公益活動を行う制度です。信託法が制定されたのは、大正11年(1922年)でした。

 ただし、制度の複雑さゆえ、信託件数約400件、信託財産額500億円と、公益法人と比べ利用されてきませんでした。

 このため、以下のように使いやすい制度へと見直されることになりました。

  1. 主務官庁制を廃して公益法人と共通の行政庁が公益信託の認可・監督を行う制度に改める
  2. 公益信託の認可基準及びガバナンス等を法定する

 内閣府によると、公益信託が、その潜在力を最大限に発揮して、多様で変化の激しい社会のニーズに柔軟に対応しつつ、社会的課題解決のための中核的な手段となることが可能になると説明しています。

 新しい公益信託制度は2026年4月から始まる予定です。主なポイントは以下の3つです。

  1. 担い手の範囲が拡大
  2. 信託財産·信託事務の範囲が拡大
  3. 透明性の高い認可・監督の仕組みへ

 信託会社に加え、公益法人·NPO法人等が社会的課題解決のノウハウを生かして公益信託の担い手になることができます。

 金銭に加え、不動産や美術品等を信託財産にして、助成以外の公益的な活動もできます。

 これまでバラバラであった公益信託の申請·相談窓口が一元化され、認可・監督の基準も統一的なものになります。