目次

  1. 育児休業給付とは 延長制度も紹介
  2. 育児休業給付の延長手続きのこれまでの要件と課題
  3. 延長手続きの厳格化により追加で必要となる書類
  4. 厳格化された要件が適用される開始日

 育児休業は、育児休業とは、原則1歳未満のこどもを養育するための休業で、育児・介護休業法という法律に定められています。

 厚労省の公式サイトによると、雇用保険の被保険者が、子どもの出生後8週間の期間内に合計4週間分を限度として、産後パパ育休を取得した場合、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができます。

 また、原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合も、一定の要件を満たすと「育児休業給付金」の支給を受けることができます。

育児休業及び育児休業給付の延長の概要
育児休業及び育児休業給付の延長の概要(画像はいずれも厚生労働省の資料から https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001231530.pdf)

 「保育所等における保育の実施が行われない」など、以下のような理由がある場合は、育児休業給付金の支給期間が2歳まで延長するよう制度が改正されています。

  1. 保育所等における保育の利用を希望し申込みを行っているが、当面保育が実施されない場合
  2. 常態として育児休業の申出に係る子の養育を行っている配偶者で、その子が1歳に達する日または1歳6か月に達する日後の期間に、常態としてその子の養育を行う予定であった方が以下のいずれかに該当した場合
    ・死亡したとき
    ・負傷、疾病等で育児休業の申出に係る子を養育することが困難な状況になったとき
    ・婚姻の解消等で、配偶者が育児休業の申出に係る子と別居することになったとき
    ・養育を予定していた配偶者が産前産後休業等を取得したとき
  3. 当該被保険者の他の休業が終了した場合

 延長が認められる場合の「保育所等における保育の利用を希望し申込みを行っているが、当面保育が実施されない場合」について、これまでは申請者、市町村、事業主の負担軽減のため、市町村が保育の実施を行わない場合に交付する「保育所入所保留通知書」などで判断してきました。 

 しかし、自治体からは「保育所等への入所意思がなく、給付延長のために申込みを行う者への対応に時間が割かれる」「意に反して保育所等への入所が内定となった方の苦情対応に時間を要している」として見直しを要望する声が出ていました。

 そこで、厚労省は2025年4月1日からあらたに2つの確認書類を求める方針です。

育児休業給付金の期間延長で必要となる書類の例
育児休業給付金の期間延長で必要となる書類の例
  1. 本人が記載する申告書
  2. 市区町村に保育所等の利用申込みを行ったときの申込書の写し

 2つの書類をもとに、申し込んだ保育所等が合理的な理由なく自宅または勤務先から遠隔地の施設のみとなっていないことや、市区町村に対する保育利用の申込みに当たり、入所保留となることを希望する旨の意思表示を行っていないことをハローワークで確認し、育児休業給付の延長の適否を判断する予定です。

 あらたな規定については、施行日の2025年4月1日以後に育児休業に係る子が1歳に達する場合、または1歳6ヵ月に達する場合から適用されます。

 ただし、「パパママ育休プラス」により育児休業が1歳2ヵ月に達する日までの範囲で延長されている場合は、当該育児休業の終了予定日とされた日に達する場合とします。