目次

  1. 高い加工技術で大手とも取引
  2. 中国茶販売で学んだ経営の基本
  3. 冷ややかな視線を変えた行動
  4. 家業の魅力が言えなかった
  5. 優秀な女性社員が続々と昇進
  6. ロボコンと自社商品でスキル習得
  7. グループ企業の残業を削減
  8. 1社依存からの脱却
  9. IT事業課で多様な働き方を推進
  10. ロケ誘致を事業化
  11. 「社員は家族」を貫く経営を

 日の出製作所は1960年、岩さんの祖父が創業。現在は難削材の加工を中心とした金属の製造加工を行っています。「チタンなど固くて粘性がある金属の加工が得意です。他社では一度柔らかく加工しなければ削れない素材も硬いまま削れる技術力があるので、素材の変質を防げます」

 THKや日機装、黒田精工などの大手メーカーなどに向けて、工作機械や医療機器の部品や治具などを製造しています。

日の出製作所のネジ部品(同社提供)

 製造業の日の出製作所とサンテック(石川県輪島市)、飲食業の「美遊JAPAN」(川崎市川崎区)の3社でグループを構成し、岩さんは製造業2社の代表です。

 社員数は2社合計で48人。22年度の売上高は計約5億円に上ります。

 岩さんは04年に家業に入社。教員採用試験に通らず、悩んだ末の決断でした。「6歳まで工場の上で暮らし、父の働く姿を見てきました。いつかは継ぐと思っていたので、履歴書の志望動機欄に『父と仕事がしたい』と一言書いて応募しました」

 最初に任されたのは、美遊JAPANの法人化と事業拡大でした。同社は岩さんの母が開業し、当時は中国茶の輸入販売が主力でした。岩さんは約2年間、川崎市の催事や大型ショッピングモールなどでの販売に従事します。

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