目次

  1. 染色工場の汚泥のリサイクルから始まった
  2. 兄二人の影響で柔道をはじめる
  3. 人材確保でぶつかった壁
  4. 強みを生かした“柔道部採用”をスタート
    1. 理由1:柔道経験を生かせば仕事ができるはず
    2. 理由2:楽しく柔道を続けられる道を用意したい
    3. 理由3:アスリートのキャリア形成をサポートしたい
  5. 大学の柔道部の先生へ電話勧誘
  6. リーダーとして活躍している1期生も
  7. 軸足は仕事に置きつつ柔道を長く続けてほしい
  8. “柔道部採用”、工場も若返り雰囲気明るく

 興徳クリーナーは、片渕さんの祖父がはじめました。当時の泉南地方には捺染(染色)工場が多く、工場のタンクに溜まった汚泥をリサイクルするために作った会社でした。

 いまは「優良産廃処理業者認定」を受け、産業廃棄物処理やリサイクルを手がけています。このほか、産業廃棄物に特化した研究開発にも注力しています。こうして九州から関東まで、食品・製造・研究・行政など1000を超える企業や行政機関と取引を続けています。

 2017年からは運送会社や人材派遣会社、同業者向けITシステムの販売会社など計6社から成るホールディングス体制に移行。2022年度の興徳クリーナーの売上は約22億円、グループ全体では約31億円にのぼります。

3階建ての本社。興徳クリーナーは他に2つの工場がある(興徳クリーナー提供)

 片渕さんは、三兄弟の末っ子として生まれました。柔道をはじめたのは、3歳のころ。先に柔道をしていた兄二人の影響でした。兄たちは大阪府や全国の大会でチャンピオンになるほどの実力の持ち主でしたが、自身は「小中学生の頃はあまり結果を残せませんでした」。

 しかし、スポーツ推薦で入学した東海大附属仰星高校で大阪チャンピオンに輝きます。その後、東海大学に進学。大学3年生で「全日本学生柔道優勝大会」の団体メンバーとして準優勝を、大学4年生で全国優勝を手にしました。

 大学卒業後は、柔道講師として二度のアメリカ留学を経験。アイダホ州立大学やジョージタウン大学、ネイバルアカデミー(海軍士官学校)で柔道を教え、充実した日々を過ごしました。

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