目次

  1. 2023年度の最低賃金の引き上げ状況
  2. 年収の壁とは 就業調整する従業員も
  3. 中小企業の取り組み事例
    1. 「“働き損”にはならないことを丁寧に説明」
    2. 勤怠管理で「あとどれぐらい働けるか」を見える化
    3. 成長や収入UPを目指すパート向けに「準社員」制度

 厚生労働省によると、2023年度の地域別最低賃金は、47都道府県で、39円~47円の引き上げとなり、全国平均で1004円となりました。10月から各都道府県で改定額が順次発行されます。

2023年度の地域別最低賃金

 その一方で、配偶者がいて扶養されているパート労働者の年収はほぼ横ばいです。それは、年収が上がって扶養から外れ、税金や社会保険料の支払いが必要になる「働き損」を回避しようと労働時間を調整しているからだとみられます。

 一定の年収を超えると、税金や社会保険料の支払いが求められるようになるため「年収の壁」とも呼ばれています。

 そのなかでも、年収が103万円を超えると超えた分に対して所得税がかかる「103万円の壁」や、「106万円の壁」と「130万円の壁」は、社会保険料に関する「壁」です。

 このほか、扶養者の家族が勤める企業では、家族手当に収入制限を設けている場合もあり、厚労省は2024年春の賃金見直しに向けた労使の話し合いの中で配偶者手当の見直しも議論されるよう対応を進めています。

 最低賃金が上がっているのに、年収の壁という「天井」がなかなか取り払われないなか、中小企業は実際にどのように対応しているのでしょうか。

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