2024年11月の野菜の生育状況と価格見通し 農林水産省まとめ
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される2024年11月の野菜の生育状況及び価格見通しについて、主産地からの聞き取りした結果を公表しました。平年を上回る野菜が多くみられますが、夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わりなどで、平年並みの価格に落ち着いてくる見込みです。
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される2024年11月の野菜の生育状況及び価格見通しについて、主産地からの聞き取りした結果を公表しました。平年を上回る野菜が多くみられますが、夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わりなどで、平年並みの価格に落ち着いてくる見込みです。
農水省の公式サイトによると、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定に寄与することを目的として、2011年から、主産地、卸売会社等からの聞き取りをもとに、農水省が野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信しています。
2024年11月の野菜の生育・出荷及び価格の見通しによると、平年を上回って推移する見込みなのは、にんじん(11月後半)、はくさい(11月前半)、キャベツ(11月前半)、ねぎ、きゅうり、トマト、ピーマン(11月前半)、たまねぎ(11月後半)、ブロッコリー(11月前半)です。
「平年並み」とは、平年(過去5ヵ年平均)との比率が概ね90%以上、110%以下であることを示しています。
品目 | 主産地 ( )は2023年11月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 11月の価格見通し (平年比) |
だいこん | 千葉(65%) 神奈川(26%) |
北海道産・青森県産の出荷が減少し、千葉県産・神奈川県産中心の出荷へと切り替わる。 千葉県産の生育は順調。神奈川県産は播種時期の8月から9月の高温の影響により歩留まりの低下がみられるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。 |
平年並みで推移 |
にんじん | 千葉(63%) 北海道(17%) |
北海道産中心の出荷から、千葉県産中心の出荷へと切り替わる。 北海道産の生育は順調。千葉県産は8月以降の高温の影響により高温障害が発生し、歩留まりの低下がみられる。 |
〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
はくさい | 茨城(86%) |
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。 茨城県産は8月以降の高温の影響により生育が遅延傾向であることに加え、高温障害による歩留まりの低下がみられる。 |
〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
キャベツ | 千葉(48%) 愛知(23%) 茨城(19%) |
群馬県産の出荷が減少し、千葉県産・愛知県産・茨城県産中心の出荷へと切り替わる。 千葉県産の生育は順調。愛知県産・茨城県産は8月から9月の高温等の影響による定植の遅れ、歩留まりの低下がみられ、11月前半までは出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 |
〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ほうれんそう | 群馬(46%) 茨城(28%) |
主産地において、9月以降の高温の影響により細物傾向となっているものの、気温低下に伴い生育が回復傾向。 | 平年並みで推移 |
ねぎ | 茨城(14%) 秋田(14%) 栃木(10%) 青森(10%) |
北海道産・青森県産の出荷が減少し、茨城県産・栃木県産の出荷が増加する。 秋田県産の生育は順調。茨城県産・栃木県産・青森県産は7月から9月の高温による生育の遅延、歩留まりの低下がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 |
平年を上回って推移 |
レタス | 茨城(66%) 静岡(10%) |
長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へ切り替わる。 茨城県産の生育は順調。静岡県産は高温の影響により生育が遅延傾向となっており、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
きゅうり | 宮崎(28%) 群馬(21%) 埼玉(20%) |
群馬県産・埼玉県産に加え、宮崎県産が増加する。 主産地において、定植時・生育初期の高温、その後の天候不良の影響により、11月前半の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。宮崎県産は11月後半は生育が回復し、平年並みの出荷数量となるものの、群馬県産・埼玉県産は切りあがりが早く、11月後半も出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 |
平年を上回って推移 |
なす | 高知(56%) 福岡(16%) |
群馬県産・栃木県産の出荷が減少し、高知県産・福岡県産中心の出荷へと切り替わる。主産地で、生育は順調。 | 平年並みで推移 |
トマト | 熊本(40%) 愛知(15%) 千葉(12%) 栃木(11%) |
千葉県産の出荷が減少し、熊本県産・愛知県産・栃木県産の出荷が増加する。 熊本県産・愛知県産・栃木県産は定植時・生育初期の高温の影響により、生育不良がみられることに加え、小玉傾向となっており、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。千葉県産は高温の影響により生育不良がみられることに加え、切りあがりが早くなるため、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 |
平年を上回って推移 |
ピーマン | 茨城(53%) 宮崎(20%) |
茨城県産は10月の曇天・気温の乱高下の影響により生育遅れ等がみられること、宮崎県産・高知県産は定植時・生育初期の高温の影響により生育不良がみられることから、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。生育は回復傾向。 | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ばれいしょ | 北海道(98%) | 北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。 | 平年並みで推移 |
さといも | 埼玉(71%) 愛媛(10%) |
主産地において、生育は順調。 | 平年並みで推移 |
たまねぎ | 北海道(93%) | 北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。 11月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移するものの、9月から10月の干ばつの影響により小玉傾向となっている。 |
〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
ブロッコリー | 埼玉(22%) 熊本(20%) 香川(11%) 愛知(10%) |
埼玉県産に加え、熊本県産・香川県産・愛知県産の出荷が増加する。 主産地において、7月から9月の高温の影響により、生育遅れや歩留まりの低下がみられ、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。11月後半には各産地の出荷が出揃う見込み。 |
〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
前月の10月の野菜の生育・出荷及び価格の見通しは以下の状況でした。
品目 | 主産地 ( )は前年同月の入荷シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 10月の価格見通し (平年比) |
だいこん | 千葉(34%) 青森(30%) 北海道(23%) |
北海道産・青森県産に加え、千葉県産の出荷が増加する。 千葉県産の生育は順調。北海道産・青森県産は8月から9月上旬にかけての高温等の影響により歩留まりの低下がみられるものの、9月中旬以降の気温低下により生育は回復傾向にあり、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。 全体として、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
にんじん | 北海道(89%) |
北海道産は8月から9月上旬にかけての高温等の影響により歩留まりの低下がみられるものの、9月中旬以降の気温低下により生育は回復傾向にあり、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
はくさい | 長野(84%) 茨城(9%) |
長野県産に加え、茨城県産の出荷が増加する。 長野県産は8月の高温、降雨の影響により歩留まりの低下がみられるものの、9月中旬以降の気温低下により生育は回復傾向にあり、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。茨城県産は高温の影響による定植の遅れ、歩留まりの低下がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、10月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、10月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年並みで推移 〈10月後半〉 平年を上回って推移 |
キャベツ | 群馬(60%) 千葉(13%) |
群馬県産に加え、千葉県産の出荷が増加する。 主産地において、生育は順調であり、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
ほうれんそう | 群馬(47%) 茨城(20%) 栃木(15%) |
主産地において、7月から8月にかけての高温の影響による生育不良等がみられ、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。9月中旬以降の気温低下により生育は回復傾向にあり、10月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年を上回って推移 〈10月後半〉 平年並みで推移 |
ねぎ | 北海道(21%) 青森(18%) 秋田(15%) |
北海道産の出荷は順調。青森県産・秋田県産は8月の高温の影響により歩留まりの低下がみられるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。 全体として、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
レタス | 茨城(62%) 長野(24%) |
長野県産中心から、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。 茨城県産の生育は順調。長野県産は8月の高温、降雨の影響により歩留まりの低下がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、10月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年を上回って推移 〈10月後半〉 平年並みで推移 |
きゅうり | 群馬(31%) 埼玉(25%) 福島(11%) |
福島県産の出荷が減少し、群馬県産・埼玉県産の出荷が増加する。 福島県産は7月から8月中旬にかけての高温の影響による生育不良等がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。群馬県産・埼玉県産は8月から9月中旬にかけての高温の影響による歩留まりの低下等がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、10月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 |
平年を上回って推移 |
なす | 高知(37%) 群馬(21%) 栃木(16%) 茨城(13%) |
群馬県産・栃木県産に加え、高知県産の出荷が増加する。 群馬県産・栃木県産・茨城県産は7月から8月中旬にかけての高温の影響による歩留まりの低下等がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。高知県産の生育は順調。 全体として、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、10月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年を上回って推移 〈10月後半〉 平年並みで推移 |
トマト | 千葉(18%) 熊本(16%) 福島(12%) 茨城(10%) |
福島県産・茨城県産の出荷が減少し、熊本県産の出荷が増加する。 千葉県産・福島県産・茨城県産は7月から9月上旬にかけての高温の影響により花落ち、生育不良等がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。熊本県産の生育は順調。 全体として、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、10月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年を上回って推移 〈10月後半〉 平年並みで推移 |
ピーマン | 茨城(56%) 岩手(19%) |
岩手県産に加え、茨城県産の出荷が増加する。 茨城県産は8月の高温の影響により生育不良がみられ、10月前半の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。9月以降の気温低下により生育は回復傾向にあり、10月後半の出荷数量は平年並みで推移する見込み。岩手県産の生育は順調。 全体として、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、10月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年を上回って推移 〈10月後半〉 平年並みで推移 |
ばれいしょ | 北海道(100%) | 主産地において、生育は順調であり、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
さといも | 埼玉(69%) 千葉(11%) 愛媛(11%) |
千葉県産の出荷が減少し、埼玉県産の出荷が増加する。 埼玉県産は玉数が多く大玉傾向。千葉県産・愛媛県産の生育は順調。 全体として、10月の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。 |
平年を下回って推移 |
たまねぎ | 北海道(97%) | 主産地において、生育は順調であり、10月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 |
平年並みで推移 |
ブロッコリー | 北海道(36%) 長野(20%) 埼玉(18%) |
北海道産・長野県産の出荷が減少し、埼玉県産の出荷が増加する。 北海道産は気温高により生育が前進しているため、切りあがりが早くなり、10月後半の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。長野県産は8月の高温・干ばつの影響により歩留まりの低下がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。埼玉県産は夏場の天候不順の影響により、生育遅延・生育不良がみられ、10月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、10月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、10月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 |
〈10月前半〉 平年並みで推移 〈10月後半〉 平年を上回って推移 |
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