目次

  1. コード決済サービスを利用した送金被害の概要
    1. サイトで商品を注文させる
    2. 「欠品のため、返金したい」と連絡してくる
    3. 返金手続きとして「○○ペイで電子送金をする」と連絡してくる
    4. LINE通話で○○ペイの操作を指示し逆に送金させる
  2. 消費者庁が注意呼びかけ

 消費者庁の公式サイトによると、PayPayといったコード決済サービスを利用して返金手続をするかのように欺き、逆に送金させる手口を公表しました。

 被害に遭った消費者のなかには、通話の相手に「片言の日本語」や「外国人ぽい」印象をもつ人もいました。

 被害相談の多いサイトは以下の4つです。ただし、実態についてはわかっていないといいます。

サイト名 ドメイン
HKR市場店 rdpgk.minimumrisk.shop
online store oggi.ayzgyonsale.shop
Suzanne madrk.cnhmxbest.shop
Typography qbague.voidnetwork.shop

 「HKR市場店」「online store」「Suzanne」「Typography」といったサイトは、フィギュアなどのうち比較的ニッチな商品や中古のスポーツ用品について、通常よりも大幅に安い価格で示していました。

 これらのサイトには「特定商取引法に関する表示」などとして、販売業者、所在地、連絡先などの情報が記載されていますが、すべて虚偽だったといいます。

 サイトには多様な支払方法が表示されていましたが、消費者が商品を注文すると、注文確認メールが届き、銀行振込やプリペイド型電子マネーでの支払いを求められます。

 後日、業者から「商品が欠品しているため返金したい」というメールが届きます。メールには「返金手続きのために公式LINEまで連絡してほしい」という指示とともに、LINEの友達追加用URLが記載されています。

 消費者がLINEで連絡を取ると、業者から、「税関の問題で銀行カードでの返金には対応していない」、「電子返金はPayPayのみ対応している」などと説明を受け、PayPayなどのコード決済サービスを使った返金を促されます。

 業者は「○○ペイの本人確認は完了しているか」などと質問し、返金作業がうまくいかないことを装います。

 その後、別のLINEアカウントを登録させ、LINEのビデオ通話で対応することを求めます。ビデオ通話では、画面共有機能を使って消費者のスマートフォンの画面を共有させ、PayPayアプリを開かせます。詐欺業者は「4999」など、商品代金とは異なる数字を何度も入力するように指示します。

 消費者は、指示されるがままに操作しているうちに、意図せず送金手続きをしてしまっていました。

 消費者庁はコード決済サービスで被害に遭わないよう注意を呼び掛けています。まずは、サイトに不審な点がないか確認しましょう。

  • 商品価格が極端に安い
  • 支払方法が限定的
  • 日本語が不自然
  • 個人名義の銀行口座への振込を求める

 つぎに、スマホの操作に関する注意点です。

  • 他人にスマホの操作を委ねない
  • 個人情報を盗まれないよう画面共有に注意
  • 不審な指示には従わない

 そのうえで、「○○ペイで返金処理するしかない」などと言われた場合は、その場ですぐに判断せず、まずは誰かに相談しましょう。少しでも変だなと思ったら、消費者ホットライン「188」番や警察相談専用電話「#9110」番に相談してください。