東証マザーズ最年少社長の語る「後継者論」 『アトツギが日本を救う』を読む
実際に悩みながらも後を継いだ当事者の言葉は、悩む人の背中を押す力強さがあります。東証マザーズ最年少社長(2014年当時)で、住宅設備・建築資材をインターネット通信販売で扱うサンワカンパニーの山根太郎さんが、同世代の後継ぎに向けて書いた1冊『アトツギが日本を救う ――事業承継は最高のベンチャーだ――』を紹介します。
実際に悩みながらも後を継いだ当事者の言葉は、悩む人の背中を押す力強さがあります。東証マザーズ最年少社長(2014年当時)で、住宅設備・建築資材をインターネット通信販売で扱うサンワカンパニーの山根太郎さんが、同世代の後継ぎに向けて書いた1冊『アトツギが日本を救う ――事業承継は最高のベンチャーだ――』を紹介します。
この本では、「社長になってまず取り組んだことは凡事徹底」、「社長になるのに満を持してというタイミングはない」、「帳簿を読めない社長はアウト」、「社長が変人でいられるために信頼できるナンバー2を持つ」など後継ぎ社長に必要なキーワードを山根氏のエピソードを交えて説明しています。
2代目に対し、世間の目は甘くはない。山根さんもインタビュー番組が放送された後にTwitterで「サンワカンパニーって同族なんだ。がっかり」という投稿を目にしたことを紹介しています。
社長に就任し、組織改革を続けているなかでも「私自身が目立っても仕方ない」と会社の代表挨拶にも顔写真を載せておらず、メディアにも登場していなかったそうです。「2代目は恥ずかしくない」と心から思えるようになったのはごく最近のことだとつづっています。
きっかけは、ライフネット生命保険創業者の出口治明さん(サンワカンパニーの社外取締役)の一言だったそうです。「2代目だからってコンプレックスのせいで会社の広告塔になるという社長の一番重要な仕事をしないなら、今すぐ辞めた方がいい」。この言葉に、2代目だとか、会社の歴史にこだわらず、ここの会社と言えばこの経営者だという会社の顔になれるくらい結果を出せばいいと吹っ切れたといいます。
エピソードだけでなく、事業承継に向けたチェックシートも掲載されています。現社長の強みと弱みを書き出し、現社長より自分が優れていると思える部分を洗い出せます。そうすることで、社長になった場合の打ち手を考えるヒントも提示されています。今後の後継ぎ人生を考えるきっかけになる1冊です。
アトツギが日本を救う ――事業承継は最高のベンチャーだ――
価格:1,540円(税込み)
ISBN:978-4344033696
発行年月:2018年10月
著者名:山根 太郎著
発行元:幻冬舎
ページ数:206ページ
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