コロナ融資の手続きに必要な期間は?経営者が政策金融公庫に申請すると
新型コロナウイルスの感染拡大で業績悪化した中小企業に対し、国から様々な特例融資制度や助成金が出ています。最低価格保証の留学サービスの運営などを手掛ける「アブログ」CEOの内田誠さんが、多くの経営者の助けになれればと、実際に申請手続きをした体験をフェイスブックで公表しています。手続きにはどのぐらいかかったのか、事業にどんなメリットがあったのか、フェイスブックの投稿をもとにオンラインインタビューで聞きました。
新型コロナウイルスの感染拡大で業績悪化した中小企業に対し、国から様々な特例融資制度や助成金が出ています。最低価格保証の留学サービスの運営などを手掛ける「アブログ」CEOの内田誠さんが、多くの経営者の助けになれればと、実際に申請手続きをした体験をフェイスブックで公表しています。手続きにはどのぐらいかかったのか、事業にどんなメリットがあったのか、フェイスブックの投稿をもとにオンラインインタビューで聞きました。
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アブログの運営するすべての事業が「海外渡航」を基本としているため、新型コロナウイルスの影響でサービスはほぼ休止となりました。内田さんは「このまま留学による海外渡航ができない状況が1年は続く、また1年後に渡航できるようになっても留学マーケットは更に1年間は冷え込む」と見通しを立てました。そんな最悪の状況を想定し、経費の大幅削減と、次の一手を打つために資金調達を計画しました。
資金調達は、日本政策金融公庫での新型コロナウイルスにおける特別貸付と、国のセーフティネット保証4号認定による緊急融資の2つを検討しました。
内田さんが最初に申し込んだのが、日本政策金融公庫の新型コロナウイルスにおける特別貸付でした。融資限度額は「国民生活事業」で上限6000万円、「中小企業事業」で上限3億円と、事業規模などで限度額が異なります。新型コロナウイルスの影響で一時的に売上が減少しているものの、中長期的には売上が回復し、成長が見込まれる企業が対象です。3年間は実質的な金利負担がゼロになります。
内田さんは、次の手順で申請し、電話と郵送だけで済ませることができました。
内田さんの場合、3月19日に申込み書類を郵送して、3月31日に審査結果の連絡をもらい、その数日後に手続きの書類が郵送で届きました。
内田さんは「こんな条件の良い融資はほかにありません」と話します。
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「運転資金3ヶ月程度しかもらえないのでは」と尋ねられたこともありますが、この先1年間は業界が冷え込む想定で資金繰り計画を作って、採択されました。「ちゃんと事業計画を作って担当者に理解してもらえたら必要なお金を融資してもらえます」と話します。
次に申請したのが、新型コロナウイルス感染症対応緊急融資でした。東京都によると、新型コロナウイルスにより影響を受けている都内の中小企業などに、長期で低利の融資をすることで、事業継続や経営の安定を図るための融資メニューだといいます。
制度の概要は下記の通りです。
内田さんは、過去に借りている融資を借り換えできる制度も同時に実施している点に注目しました。条件によっては信用保証料が全額補助されます。「過去に信用保証協会付きの融資を受けていて、現在返済中なら検討をおすすめします」と話します。改めて10年返済で組み替えた場合、月々の返済金額を少なくできること、4号認定を取得すれば金融機関側のリスクが減り、責任共有制度対象外になるので、前より利息が低くなりやすくなる点がメリットだといいます。
内田さんは「全額補助されることはめったにありません。過去に信用保証協会付きの融資を受けていて、今回の融資の制度を利用して借り換えをした場合、金利が安くなるだけでなく前回の保証料が返還されました」と話します。東京都が公表している緊急借り換えの案内はこちら。
さらに、融資メニューについて5月1日から3年間実質無利子にする制度も始まっています。
内田さんは次の手順で申請しました。
※相談先を、第一勧信に限定するものではありません。
内田さんによると、4号認定を受け取るにはものづくり課で面談が必須です。この面談が混雑していて、4月初めに電話した時でも面談日は1週間後でした。「先に予約を取ってから書類準備をしましょう。4号認定をもらうだけでは融資は受けられません。その認定書をもって金融機関で保証協会付の融資を申し込む必要があります」と話します。4月13日に申込書類を提出して、17日に審査結果の連絡をもらいました。
内田さんはすでに融資で得た資金を元に新規事業の立ち上げに動いています。アブログは留学マーケットでは小さいプレイヤーでしたが、「日々の運転資金が小さく、フットワークの軽いベンチャーは、現状で資金調達さえできれば有利な環境にあります。理念を持った経営が飛躍できる機会となるよう正しく守りながら攻めていきたいです」と話しています。
国だけに限らず、各都道府県でも様々な支援制度があります。中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」は、都道府県別に新型コロナウイルスに関する地域の補助金・助成金・融資の情報をまとめています。
1983年生まれ。2010年、勤務していた留学エージェントが、顧客の留学費用を預り金として受け取りつつも留学先の学校に送金しないまま倒産を経験。エージェントだけを頼らず、留学生自身が納得いくまで情報を集められる場を作ろうと2016年9月にアブログを設立。現在、5つのサービスを展開している。
留学コミュニティサイト「アブログ」
留学メディア「THE RYUGAKU【ザ留学】」
留学の個人手配サポート「Langpedia【ラングペディア】」
クラシファイドサイト「海外掲示板」
グローバル・海外求人サイト「海外JOB」
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