祭り・イベント関連商品を一手に

 アキザトは1974年、佐藤さんの父・彰男さんが立ち上げた風船イベント事業として創業。お祭りなど各種イベントで使われるアイテムの製造・販売、レンタルを手がけるようになりました。スーパーボールやかき氷の蜜などの景品から、くじ引き機などの什器、スタッフが着る半纏、飾り付けの提灯まで扱っています。

 佐藤さんは「お祭り、縁日にある商品はほぼすべて取り扱っています。イベント関連では東京マラソンのスタート地点などで使うエアーのアーチや置物なども、我が社の商品です。音楽番組で使う風船などの演出も担当しています」と話します。

アキザトのエアアーチは東京マラソンでも使われた(同社提供)
アキザトのエアアーチは東京マラソンでも使われた(同社提供)

 アキザトは自社商品だけでなく、商社のような役割も果たしています。全国でお祭りを主催している会社や団体からの注文が相次ぎ、近年は住宅展示場や自動車販売店、携帯電話販売店などのキッズイベントでも商品を展開していました。イベント用品卸としては、国内有数のシェアを誇ります。

父から受けた厳しい指導

 2代目の佐藤さんは、大学生の頃からアキザトの倉庫でアルバイトを始め、卒業後しばらくして社員になりました。「入社後は父の厳しい指導が待っていました。目に見える結果を求められ、営業成績はトップで当たり前だと言われました。営業の仕事では、佐藤という姓を名乗ることを止められ、下の名前で営業していたほどです。おそらく、取引先に息子だと分からないようにするためだったと思います」

 先代は元々、還暦前の引退を考え、早くから佐藤さんへの継承を意識していたため、 厳しい指導となったそうです。入社当時のアキザトは会社の体質が古く、改善すべきところがたくさんありました。佐藤さんは後継ぎとして、気になる点を指摘していきます。

 「例えば、お客様から注文の電話が鳴っても対応がぞんざいでした。発注ミスで商品が足りなくなっても『もう間に合いません』『FAXを送り直してください』と、平気で言っていました。そういう態度を改めるようにするだけで、 売上は伸びていきました」

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