「可能です。でも……」を引き出すために

 「技術的には可能です」というエンジニアの言葉の受け止め方について2020年7月、日本一残業の少ないIT企業を掲げる「アクシア」米村歩社長のツイートが広く拡散されました。

 もちろん、エンジニア側から上記ツイートの(でも……)につながる部分を伝えることは大切ですが、「言いにくい雰囲気を自分が作ってしまっている可能性も考えるべき」だと米村さんはツイートしています。

「こういうのできますか?」
「できますよ」
「じゃあすぐやってください」
「(え?それに必要なお金は?時間は?)」
 これで後になって「あの時できるって言いましたよね!?」みたいな詰め方していると、相手は自分を守るために「技術的には可能です」みたいな言い回しが出てくるようになります。

できる?できない?よりも掘り下げて質問しよう

 たとえば、ECサイトの構築を発注するなかで「○○の機能できますか?」と問い合わせて「できます」と答えが返ってきたので依頼したのに、いつまで経ってもできないし、コストも増えている……。 
 そんな経験ありませんか。クレームを入れるのは簡単ですが、その前に、エンジニアに対する質問を振り返ってみましょう。

エンジニアは作業中に声をかけられるよりも、Slackなどでメッセージを入れておいてほしいタイプもいるのでエンジニアに合わせた対応ができると理想的

 エンジニアはプログラマチックに物事を考える傾向があります。「できる?できない?」という二元論のような質問をした時には「(お金はかかるけど)できる」「(時間はかかるけど)できる」というYES/NOで答える場合があります。
 もし、自分の意図した答えを求めるときには、インプットを正確にして次のように尋ねてみましょう。

  • 「この目的で何人規模が触れるシステムを、どのくらいの期間でいくらかければできる?」
  • 「これこれの予算内と期間内でこの目的のシステムを作るにはどのような方法がある?」
  • 「これこれの目的でシステム構築を検討しているのだが誰に任せると最もコストパフォーマンスが良い?」

 こうした質問方法はエンジニアだけに限りません。社員に仕事を頼むときにも手戻りを少なくすることに生かせます。

エンジニアのタイプ別コミュニケーション術

 一言で「エンジニア」といっても、さまざまなバックボーンを持った技術者たちがいます。仕事をスムーズに進めるためには、相手のバックボーンを理解した上でのコミュニケーションが欠かせません。今回は、3つのパターンに分けて紹介しますが、完全に分かれているわけではなく、少しずつ混在していると考えて良いでしょう。

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