ここにもあそこにも…社員が街で見つけた我が社のボルト インスタで発信
ここにも、あそこにも我が社のねじ……。ねじ製造業「金剛鋲螺(びょうら)」は、販売代理店経由で販売しているため、どこで自社のねじが使われているのかがわかりません。そこで、4代目の辻本悠祐さんら広報チームが社内に呼びかけたところ、意外なところが使われている事例が次々と見つかりました。こうした事例は採用活動に活用しています。
ここにも、あそこにも我が社のねじ……。ねじ製造業「金剛鋲螺(びょうら)」は、販売代理店経由で販売しているため、どこで自社のねじが使われているのかがわかりません。そこで、4代目の辻本悠祐さんら広報チームが社内に呼びかけたところ、意外なところが使われている事例が次々と見つかりました。こうした事例は採用活動に活用しています。
金剛鋲螺は、住宅地に近く幹線道路沿いに会社があるアクセスの良さを生かし、ここ10年、毎年3、4人の新卒を採用してきました。
しかし、仕事は「ねじ」というニッチな事業領域。毎年、応募数を確保するのは簡単ではありません。高校や大学を卒業したばかりの若者たちに、どうやって仕事に関心をもってもらうかが課題でした。
辻本さんら広報チーム3人で話し合ったところ、次の2つの案が出ました。
採用したい世代が使っているSNSはインスタです。また、過去の採用説明会でもっとも反応が良かったのは、ねじの活用事例を紹介しているときでした。そこで、この2案を組み合わせる形で、2019年からインスタでの発信が始まりました。
しかし、商社(販売代理店)経由で最終ユーザーへ販売しているため、活用場所がわかりません。そこで、社内で呼びかけました。
「プライベートで自社製品をみつけたときに撮ってもらえませんか?」
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目印は、六角ボルトでいうと頭の部分にある「KN」の刻印です。
しならくすると、踏切やマンホール、地下鉄の駅の空調機など身近なところの写真が寄せられました。
さらに、旅行先のリニア・鉄道館(名古屋市)に遊びに行ったときに新幹線の実物を使った模型で見つけたり、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪市)の「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」で待ち時間に見つけたりと広報チームも驚くような写真が寄せられました。
辻本さんは「社員はプライベートでもついついボルトに目が向いてしまうことが多いようです(笑)」と話します。
さらに、他社の製造業の後継ぎからも情報が寄せられるようになってきました。
はじめまして!トラックボデーを製造している会社のアトツギです🚚
— anna (@iriantra) January 10, 2021
六角ボルトには大変お世話になっております。写真は荷台の埋込フックです。そのほかにもいたるところに使われており、ボデーの強度を支えていただいてます。ありがとうございます🙇♀️🌟 pic.twitter.com/Cn2HDicAXf
インスタで情報発信を続けていると、少しずつ「いいね」が押されるようになってきています。辻本さんは「SNSを事前確認した上で採用に応募する人が徐々に増えています。また取引先からも営業担当が『見たよ』と声をかけられるようになってきました」と手応えを感じています。
こうした活用事例を通して、仕事と社会のつながりが見えるようになり、社員の間でもモチベーションアップにもつながっています。
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