2020年のM&A、売り案件が大幅に増えたのは関東地方のみ
国内のM&A動向を地方別に2019年と2020年で比較すると、2020年に登録が大幅に増えていたのは関東地方のみでした。日本中のM&Aサイトの情報を自動収集している検索エンジン「MANDA」が分析しました。関東地方で登録が増えていた業種も合わせて紹介します。
国内のM&A動向を地方別に2019年と2020年で比較すると、2020年に登録が大幅に増えていたのは関東地方のみでした。日本中のM&Aサイトの情報を自動収集している検索エンジン「MANDA」が分析しました。関東地方で登録が増えていた業種も合わせて紹介します。
M&A検索エンジン「MANDA」は、家業であるソフトウェア開発会社を継がない経験をした森田洋輔CEOが、中小企業の事業承継問題を解決したいと考えて立ち上げたサービスです。
様々なM&Aプラットフォームから自動で情報を収集し、全国のM&A案件をデータベース化し、およそ4000~5000件が検索できます。今回は、そのデータをもとにM&A動向を分析しました。
国内の地域別にM&Aの売り案件の新規登録数を2019年と2020年で比べたところ、大幅に増えていたのは関東地方のみで、2020年は2019年よりの1.2倍に増えていました。一方で、そのほかの地域はほとんど変化がありませんでした。
東京商工リサーチによると、2020年の企業の倒産件数は、1971年以降の50年間でバブル期の1989年に次ぐ、4番目の低水準となりました。
こうした状況から、森田CEOは「新型コロナの影響で経済状況は厳しかったものの、企業は政府の資金繰り支援施策に支えられました。とくに地方では固定費が比較的低く済ませられるため、厳しいながらも事業を継続できているところが多いのではないでしょうか」とみています。
これを踏まえて関東地方でどんな業種で売り案件が増えているのかを調べました。
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すると、新型コロナの影響が大きかった飲食業が2019年と比べて2020年が3倍に増えていました。このほか、「ホテル・旅館」は2.7倍、「生活関連サービス」が2.2倍、「建設」も1.9倍に増えていました。
逆に、M&A検索エンジンMANDAで、2020年の1年間で買い手などが検索したキーワードのトップ30をリストアップしました。
新型コロナウィルスの影響を受けている業界のほか、個人でもM&Aできる「カフェ」や「ラーメン」「エステ」などのキーワードもランクインしていました。
検索サイトごとの登録数も調べました。地域ごとに差はあるものの、全体としては「TRANBI(トランビ)」と「Batonz(バトンズ)」がそれぞれ3割を超えていました。
2021年のM&A市場の見通しについて、森田CEOは次のように指摘しています。
2021年は端的に言うと、地方の案件が増えると予想しています。理由は3つあります。一つ目は、政府の補助政策も落ち着いたタイミングで、そろそろ潮時だと考える経営者が増える可能性があるからです。
二つ目は、M&Aに関する認知が関東の事例を踏まえて、2021年は地方に広まっていくタイミングになるとみられるからです。最後に、オンラインツールの普及などにより、地方の案件の買い手となりえる人が増えると考えられるからです。
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