目次

  1. 事業継続計画(BCP)とは
  2. 調査概要
  3. BCPを「策定している」企業は13%
  4. 計画のフォロー・見直しをしているのは84%
  5. BCP策定のメリット
  6. 災害の備えの取り組み

 BCPとは、事業継続計画を意味する“Business Continuity Plan”の頭文字をとった略語です。

 簡単にいうと、自然災害、大火災、サイバー攻撃、新型コロナウイルスなどの緊急事態が起こった時に、被害を最小限に抑え、中核事業の継続や早期復旧のためにあらかじめ立てておく計画のことです。

 防災や事業継続に対する中小企業の意識や考えについて明らかにするため、大同生命は2021年7月1日~28日、全国の企業経営者9818人に対し、対面またはオンラインで面談調査をしました。その結果は次の通りです。

 BCP(事業継続計画)を「策定している」と回答した企業は、全体の13%にとどまりました。2019年の5%、2020年の11%からは伸びているものの、まだ普及していない実態が明らかになりました。このほか、「策定予定」と答えた企業は29%でした。

 この傾向は、帝国データバンクが2021年5月にBCPの策定状況を尋ねたアンケート調査でも同様で「策定している」と回答した中小企業は14.7%にとどまっています。

 大同生命のアンケートで「BCPを策定している」と答えた企業に対し、策定後の対応を尋ねたところ「策定後にフォロー・見直しを実施している」と答えた企業が84%に上りました。具体的な対策は以下の通りです(複数回答)

  • 緊急事態発生時の各従業員の役割を周知……50%
  • バックアップしているデータなどの現存を確認……40%
  • 模擬訓練による有効性の確認……25%
  • BCPの定期的な見直し……25%
BCPのフォロー・見直し内容(大同生命サーベイ2021年7⽉度調査から引用)

 中小企業庁が、アピールしているBCPのメリットは次の4つです。

  1. 顧客からの信用の維持につながる
  2. 融資や保険の優遇を受けられる場合がある
  3. 取引先や市場関係者から高い評価を受けられる
  4. 経営管理の再確認につながる

 一方、大同生命のアンケートではBCP策定の「効果」として多かった回答は次の通りでした(複数回答)。

  • 「災害などが発⽣した際の優先順位が明確化」……52%
  • 「事業継続リスクに対する従業員の意識が向上」……46%
  • 「業務の定型化・マニュアル化が進展」……27%

 さらに自由回答では、次のような回答もありました。

策定したBCPを⾃社のHPで公開することで、地域での信頼が⾼まり、企業イメージが向上した。(関⻄/サービス業)

BCPの策定が応募条件となっている「⾃治体の助成⾦」を受け取ることができた。(関⻄/製造業)

⾃社が所属する会員組織で、コロナ対応に関するBCPを紹介したところ、他のメンバーから安⼼と信頼をいただいた。(北陸・甲信越/サービス業)

大同生命サーベイ

 また、⾃然災害・感染症への備えとして、「準備しておいて役⽴ったこと」「準備しておらず困ったこと」などについては次のような意見も出ています。

地域の企業同⼠でつながりを持つことで、被災時に物資などを融通し、助け合うことができた。(北関東/サービス業)

事業継続⼒強化計画を策定する中で、住⺠拠点サービスステーションの存在を知り、災害時に燃料の供給を受けられるガソリンスタンドの場所を確認することができた。 (南関東/サービス業)

停電や通信障害時に取引先と電話が繋がらず困った。他の連絡⽅法を確保しておくべきだった。(東北/卸・⼩売業)

停電対策で⾃家発電機を設置したが、豪⾬による浸⽔で発電機が故障した。被災を想定した設置が重要だと痛感した。(九州・沖縄/サービス業)

⾃社内の備えで7⽇間は業務が継続できるよう準備している。災害によっては、復旧までの⽇数がさらに⻑期間となることも予想されるため、今後は業者間協定を結ぶなど外部と協⼒した対策も進めたい。 (東北/製造業)

大同生命サーベイ