DX銘柄とは 経済産業省と東京証券取引所が選定 企業一覧や手順を紹介
デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)とは、デジタル技術を前提として、ビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXに取り組む企業のことです。経済産業省と東京証券取引所が毎年選定しています。ただし、選定されるには準備に時間がかかるため、事前に知っておきたいポイントをまとめました。(2021年11月6日更新)
デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)とは、デジタル技術を前提として、ビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXに取り組む企業のことです。経済産業省と東京証券取引所が毎年選定しています。ただし、選定されるには準備に時間がかかるため、事前に知っておきたいポイントをまとめました。(2021年11月6日更新)
目次
経済産業省によると、DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、DXを推進する仕組みや優れたデジタル活用の実績のある企業を、業種ごとに最大1~2社ずつ毎年認定する制度です。
対象となるのは、東京証券取引所の国内上場企業(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)です。目標となる企業モデルを示すことで、ほかの企業経営者の意識変革を促すのが目的です。
経産省などは2015年から、積極的なIT活用を進めている企業を「攻めのIT経営銘柄」に認定する制度を続けてきましたが、2020年からはDXに焦点を当てて「DX銘柄」に改めました。
DX銘柄に選ばれるには、いくつかの手順があります。
DX銘柄に選定されるためには、先に「DX認定」の取得が必要です。DX認定制度とは、ビジョン策定や戦略づくりなどDX推進の準備が整っている企業を国が認定する制度です。
DX認定制度の申請方法や必要書類は、情報処理推進機構(IPA)の公式サイトで確認できます。ただし、DX認定までおよそ60日かかるため、早めの準備が必要です。
DX銘柄の選定材料とするため、経産省などは東京証券取引所の上場会社全社に、アンケート調査を実施しています。アンケートは選択式と記述式があり、調査は専用サイト「DX推進ポータル」で実施します。回答するためには、gBizID(GビズID)アカウントが必須です。
調査に回答した企業は、DXを積極的に推進する企業として、公表を辞退する場合以外は原則公表されます。
2021年の応募アンケートの項目は以下の通りでした。
2021年のDX銘柄の選定基準は次の通りです。
経済産業省の公式サイトによると、DX銘柄2021などに選ばれた企業は次の通りです。
DX銘柄2021選定の企業28社のなかで、特に優れた取り組みだった2社がDXグランプリに選ばれました。
日立製作所(電気機器)【証券コード6501】
SREホールディングス(不動産業)【証券コード2980】
DX銘柄2021に選ばれたのは次の26社です。
清水建設(建設業)【証券コード:1803】
アサヒグループホールディングス(食料品)【証券コード:2502】
旭化成(化学)【証券コード:3407】
中外製薬(医薬品)【証券コード:4519】
出光興産(石油・石炭製品)【証券コード:5019】
ブリヂストン(ゴム製品)【証券コード:5108】
JFEホールディングス(鉄鋼)【証券コード:5411】
小松製作所(機械)【証券コード:6301】
日本電気(電気機器)【証券コード:6701】
ヤマハ発動機(輸送用機器)【証券コード:7272】
トプコン(精密機器)【証券コード:7732】
凸版印刷(その他製品)【証券コード:7911】
東日本旅客鉄道(陸運業)【証券コード:9020】
SGホールディングス(陸運業)【証券コード:9143】
日本郵船(海運業)【証券コード:9101】
日本航空(空運業)【証券コード:9201】
ソフトバンク(情報・通信業)【証券コード:9434】
トラスコ中山(卸売業)【証券コード:9830】
セブン&アイ・ホールディングス(小売業)【証券コード:3382】
日本瓦斯(小売業)【証券コード:8174】
りそなホールディングス(銀行業)【証券コード:8308】
東海東京フィナンシャル・ホールディングス(証券、商品先物取引業)【証券コード:8616】
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(保険業)【証券コード:8725】
東京センチュリー(その他金融業)【証券コード:8439】
GA technologies(不動産業)【証券コード:3491】
ベネッセホールディングス(サービス業)【証券コード:9783】
「DX銘柄」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している企業が、DX注目企業に選ばれました。
日清食品ホールディングス(食料品)【証券コード:2897】
ワコールホールディングス(繊維製品)【証券コード:3591】
ユニ・チャーム(化学)【証券コード:8113】
大日本住友製薬(医薬品)【証券コード:4506】
AGC(ガラス・土石製品)【証券コード:5201】
三菱重工業(機械)【証券コード:7011】
富士通(電気機器)【証券コード:6702】
大阪瓦斯(電気・ガス業)【証券コード:9532】
ANAホールディングス(空運業)【証券コード:9202】
日本電信電話(情報・通信業)【証券コード:9432】
三井物産(卸売業)【証券コード:8031】
住友商事(卸売業)【証券コード:8053】
Hamee(小売業)【証券コード:3134】
三井住友フィナンシャルグループ(銀行業)【証券コード:8316】
大和証券グループ本社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8601】
SBIインシュアランスグループ(保険業)【証券コード:7326】
SOMPOホールディングス(保険業)【証券コード:8630】
リコーリース(その他金融業)【証券コード:8566】
三菱地所(不動産業)【証券コード:8802】
ユナイテッド(サービス業)【証券コード:2497】
DX銘柄2021に応募があった企業の中から、新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応に関して、優れた取組を実施した企業が 「デジタル×コロナ対策企業」 に選ばれています。
ヤマトホールディングス(陸運業)【証券コード:9064】
アスクル(小売業)【証券コード:2678】
資生堂(化学)【証券コード:4911】
コニカミノルタ(電気機器)【証券コード:4902】
東急不動産ホールディングス(不動産業)【証券コード:3289】
大和証券グループ本社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8601】
東京海上ホールディングス(保険業)【証券コード:8766】
サントリー食品インターナショナル(食料品)【証券コード:2587】
日本電気(電気機器)【証券コード:6701】
アステリア(情報・通信業)【証券コード:3853】
三井不動産(不動産業)【証券コード:8801】
DX銘柄2022の選定準備が始まりました。事前にDX認定やgBizIDの取得を済ませておいてください。
具体的なスケジュールは次の通りです。
DX調査2022の調査項目は、経産省の公式サイトから確認してください。
それでは、DXを積極的に進めている企業にはどんな特徴があるのでしょうか。IPAはDX先進企業にヒアリングした結果を「DX先進企業へのヒアリング調査 概要報告書」にまとめました。
そのなかから特徴をいくつか紹介します。
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