目次

  1. スタートアップの展示に脚光
  2. ユーリカパーク出展の条件
  3. 展示品の大半がプロトタイプ
  4. 日本発「木のサイネージ」が話題に
  5. 医療技術やロボットにも脚光
  6. スペーステックとフードテックが追加
  7. 中小企業の後継ぎが学べること

 ラスベガスでは毎年1月になると、世界中のテック業界関係者が、CESに参加するために集まります。その数は約18万人にのぼります。お目当ての一つは、「ユーリカパーク」と呼ばれる、スタートアップ専用の展示会場です。開設初年度の12年は94社だった出展社数は、20年は1200社にまで伸び、斬新なガジェットやテクノロジーが、メディアの話題をさらいました。

 ユーリカパークは展示ブースが国別になっているのが特徴です。日本勢は日本貿易振興機構(ジェトロ)が運営し、「J-startup」と呼ばれる展示コーナーに出展しています。こちらの出展社数も、初年度の22社から3年で53社へと倍増しました。

20年の「J-startup」は盛況でした(ジェトロ提供)

 しかし、その規模は、16年にフランスが開設した展示スペース「French Tech」にはかないません。コロナ禍で全面デジタル開催となった21年でも100社が出展。それ以前は400社以上で、米国に次ぐ展示数を記録しています。韓国の展示スペース「K-Startup」の出展社数も21年は97社となり、フランス勢を追い上げています。

 近年、スタートアップ企業は、ビジネスやテクノロジーのあり方を覆す画期的なイノベーションの源泉として注目を集めてきました。ユーリカパークは、若い企業がCESを舞台に画期的なアイデアを送り出しやすくなるよう、狭いながらも通常より安価な展示スペースを提供する目的で開設されたと言われています。

 先鋭のスタートアップをめがけて、投資家とジャーナリストも詰めかけます。ユーリカパーク開設以来、ここに出展した企業への投資は、合計で10億ドルに上るそうです。スタートアップは今や、世界経済の原動力で、CESの主役と化しているのです。

 では、スタートアップなどの中小企業がユーリカパークに出展するには、どうすればいいのでしょうか。

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