小島プレス工業、サイバー攻撃の経路を公表「リモート接続機器に脆弱性」
トヨタ自動車が2022年3月1日に国内全14工場28ラインを停止することになったトラブルがあり、サイバー攻撃を受けて工場停止のきっかけとなった部品仕入先の小島プレス工業が調査報告書を公表しました。サイバー攻撃について「子会社のリモート接続機器に脆弱性がきっかけとなり不正アクセスを受けた」と説明しています。
トヨタ自動車が2022年3月1日に国内全14工場28ラインを停止することになったトラブルがあり、サイバー攻撃を受けて工場停止のきっかけとなった部品仕入先の小島プレス工業が調査報告書を公表しました。サイバー攻撃について「子会社のリモート接続機器に脆弱性がきっかけとなり不正アクセスを受けた」と説明しています。
トヨタが国内全14工場28ラインを停止することになったのは2022年3月1日でした。トヨタ自動車は当初「国内仕入先におけるシステム障害の影響」と説明していました。その後、部品仕入先の小島プレス工業がサイバー攻撃の被害にあっていたことを明らかにしました。
小島プレス工業(本社・愛知県豊田市)は、公式サイトによると、1938年設立で、社員数は2022年1月時点で1650人。自動車内外装部品、パワートレーン周辺部品の企画、設計、製造を手がけており、トヨタ自動車へ自動車部品を納入しています。
そんな小島プレス工業がサイバー攻撃の被害に遭いました。小島プレス工業の暫定サイトに公表された調査報告書によれば、子会社が独自に特定外部企業との専用通信に利用していたリモート接続機器に脆弱性があり、そのことがきっかけとなり不正アクセスを受けました。
攻撃者はそのリモート接続機器から子会社内のネットワークに侵入し、さらに当社内ネットワークへ侵入しました。2月26日20時過ぎにサーバやパソコン端末へ攻撃を受けた痕跡があったといいます。
このサイバー攻撃は、システムへのアクセス制限をかけて身代金を要求する「ランサムウェア」によるもので、サーバやパソコン端末の一部でデータが暗号化されたといいます。
小島プレス工業はランサムウェアに対し「脅迫文に具体的な身代金額の記載は確認されていません。当社から攻撃者への連絡は行っておりません」と説明しています。
情報流出の可能性については「外部へ情報が持ち出された形跡は確認されておりません。加えて、現時点において具体的な情報漏洩の事実は確認されておりません」と説明しています。
小島プレス工業はEメールやコーポレート、暫定のWEBサイト、取引先とのネットワーク、各種社内業務システムなど、安全を確認できたものから順次、復旧を進めています。
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