54年前の1968年7月1日、郵便番号制度がスタートしました。

郵便番号制度が始まったことを伝える1968年7月1日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

郵便物に3ケタ(NNN)、または5ケタ(NNN-NN)の郵便番号を導入。

当日の朝日新聞は夕刊で「初日はまずまず」と、順調な滑り出しだったことを伝えています。

 

郵便番号は、全国各地の配達地域ごとに割り振られました。

制度の導入にあわせて、郵便番号を自動的に読み取って、郵便物を仕分ける機械も導入されました。

郵便物の郵便番号を自動的に読み取って仕分ける機械=1968年7月1日、東京・丸の内、朝日新聞社

まだ、インターネットも携帯電話もない時代です。当時、郵便物の1年間の取扱総数は100億通を超えていたと言われています。

新たに導入した機械は、1時間に約2万3000通の郵便番号を読み分けることができたそうです。

これにより、それまで手作業だった郵便物の集配業務の負担が大幅に軽減され、配達地域の郵便局に郵便物を早く届けることができるようになりました。

機械は当初2台しかありませんでしたが、1990年代には200台を超え、2010年ごろには約1400台に増えたそうです。

 

郵便番号の記載率は、導入当初は56%ほどだったそうです。

そこで、各世帯に郵便番号簿を配るなど、郵便局では郵便番号制度のアピールに力を入れました。

すると、導入翌年には記載率が約65%となり、2000年代には90%台後半まで伸びました。

 

郵便番号が現在の7ケタ(NNN-NNNN)になったのは、1998年のこと。

郵便番号7ケタのスタートを伝える1998年7月1日付朝日新聞夕刊(東京本社版)

扱える番号の数が増えたため、町域ごとに郵便物が仕分けられるようになり、都心部の大企業や高層ビルでは企業ごと、あるいはビルの階ごとに個別の番号を割り振ることもできるようになりました。

7ケタの郵便番号を読み取る新型の区分機=1998年1月30日、名古屋市、朝日新聞社

ちなみに、仮に郵便番号の需要が今後増えたとしても、当面は7ケタのままで対応できるそうです。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月1日に公開した記事を転載しました)