目次

  1. 通関電子データ送信義務化とは 
  2. 通関電子データ送信義務化、各国の対応
    1. アメリカ宛てでは手書きラベルでは引き受け不可
    2. ヨーロッパ宛ても通関電子データ必須
    3. 2024年3月1日からすべての国・地域に拡大
  3. 通関電子データの対象となる郵便物
  4. 通関電子データの送信方法
  5. 通関電子データを送信しても配達遅延に注意

 通関電子データ送信義務化は、テロ対策の観点から、世界的に郵便物へのセキュリティの必要性が高まったため、万国郵便連合(UPU)で決定され、2021年1月1日から始まりました。

 物品を国際郵便物で送る場合、差出人の住所・氏名や内容品などの情報を電子化した「通関電子データ」を事前に送信することを義務づけるというものです。データは各国の郵便事業体が受け取り、その後は税関に情報を送ります。

 通関電子データ送信義務化はすでに始まっており、各国の対応と、日本国内で荷物を引き受ける日本郵便の対応を整理しました。

 アメリカでは「STOP Act」という法律があり、通関電子データの送信がない郵便物は、2021年1月1日以降、返送されることになりました。そのため、日本郵便は、通関電子データがない郵便物の引き受けをしないと公表しています。

 2021年10月以降、欧州連合(EU)加盟国などによる「通関電子データ」の送信の要求が強まっており、通関電子データがない郵便物の返送も起きています。そこで、日本郵便は2022年6月20日から、通関電子データがない郵便物を引き受けないことにしました。

 対象となるヨーロッパおよび海外領土の一部の計65カ国・地域は、日本郵便の公式サイト(PDF方式:60KB)で公表されています。

 日本郵便は、2024年3月1日から国際郵便の通関電子データの事前送信を必須とする範囲をすべての国・地域に拡大することについて国際郵便約款の変更の認可を受けました。

 2024年3月1日からは、物品を包有するEMS、国際小包だけでなく、印刷物、特別郵袋印刷物、書状(定形・定形外)など通常郵便物もすべて対象になります。

 ただし、EMS、印刷物、書状は物品などの税関検査の対象とされる可能性のあるものを送る場合に限り対象とし、手紙などの書類だけを送る場合は、手書きのラベルや宛名書きで発送できます。

 日本郵便の公式サイト内「国際郵便マイページサービス」で、引き受けラベルを作成すると、入力した情報が「通関電子データ」として送り先の国へ送信されます。

 通関電子データを送信しても、送り先の国で不十分・不正確であると判断された場合、追加の情報が求められる場合があります。この対応で配達遅延が起こる場合がありますので注意してください。

 また、郵便局からの連絡では、該当郵便物の差出日、送り先の国、郵便物番号を伝えます。これらの情報がない場合はなりすましの可能性があるので注意してください。