目次

  1. 4代目に到達する企業は2~3%
  2. 家族経営の強みと弱み
  3. 後継ぎが切り開く「再生の途」
  4. 後継ぎが受け入れてもらうには
  5. ファミリービジネスの再評価
  6. MBAでファミリービジネスを学ぶ

 家族経営会社のほとんどが3代までで消滅することを、皆さんはご存じでしょうか。

 初代で生き延びる確率は16%。受け継がれた会社のうち2代目以降も生き残るのは30%で、3代目のビジネスも半数しか残りません。つまり、4代目に到達できるのは100社あたり2~3社にすぎないわけです。

初代を生き残った会社を100として、以降の「継承率」を示すグラフ。世界的に4代目まで続くファミリービジネスは限られることが明らかになっています(提供:Center for Enterprise Group)

 「この『3世代の法則』は世界各国に存在する古訓」と語るのは、その学問的な実証に取り組んできた、MITスローン経営大学院で教えているジョン・デービス教授です。

 デービス教授は長年、世界各国における家族経営の現状や課題を検証してきた、ファミリービジネス研究の権威です。研究を続けるなかで、前述した世代ごとの継承率が分かり、それが万国共通であることも判明したそうです。

MITスローン経営大学院・ジョン・デービス教授 家族経営企業、家族財産、ファミリービジネス研究のパイオニアで第一人者。1970年代から、家族経営の研究の枠組みを作り活躍してきた。ハーバード・ビジネス・スクールでは21年間教壇に立ち、同校のファミリービジネス研究分野を創設。MITスローン経営大学院ではMBAコースや経営者コースで、同大学院の家族企業プログラムをリードしている。世界有数の企業を含む70カ国以上のファミリー企業の多世代戦略のアドバイザーとしても活躍。1989年に設立したファミリービジネスの世界的研究機関「ケンブリッジ・ファミリー・エンタープライズ・グループ」の会長も務める(提供:Center for Enterprise Group)

 また「3世代の法則」にはまらず、幾世代にもわたって家業を繁栄させていくためにはどうすれば良いのか。そのカギも見えてきたと言います。「こうすれば成功する、失敗するという、非常に信憑性の高いフォーミュラ(法則)やフレームワークがあるんです」(※MITのレクチャービデオ動画より引用)

 そもそも「家族経営企業」とは何なのでしょうか。

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