目次

  1. コロナ禍でコンビニの成長戦略に暗雲
  2. 首都圏に照準、1000店達成の「まいばすけっと」
  3. コンビニから離れた客が「まいばすけっと」へ?
  4. コンビニ本部に衝撃を与えた「SHOP99」
  5. 重なり合う事業領域、パイの争奪戦に突入か

 コンビニは人々の「移動」によって売上が増える業態です。どこかへ向かう途中や目的地周辺で、人々はコンビニを利用します。

 例えば朝、出勤する職場の手前でコーヒーを購入する。昼休みにサンドイッチとカフェオレを調達する。商談の帰りにスイーツや炭酸飲料で一息つく。残業帰りに弁当とサラダ、ビールを手に入れる、といった具合です。

 世の中が忙しくなればなるほど、コンビニは潤います。一昔前のテレビCMに「24時間、戦えますか」というキャッチフレーズがありました。この問いに「イエス」と答える人が増えてほしいと、コンビニ側は願っているのです。

 ところが2020年春、様相が一変しました。在宅勤務が広がり、出社しない人が増えました。出社したとしても、商談や会議がオンラインのこともあります。長時間の残業をよしとしない社会的要請も強まっています。コンビニの利便性を必要としない場面が一気に増えたのです。こうして駅前やオフィス街、観光地のコンビニは悲鳴を上げ始めました。

都市中心部のコンビニではコロナ禍を乗り切るため、一時的に24時間営業から時短営業に切り替える店が増えた(2021年11月、札幌市、筆者撮影)

 しかし、住宅街のコンビニの中には、特需に沸いた店もありました。2020年4月、7都府県に緊急事態宣言が出た直後、東京都中野区、杉並区、世田谷区の住宅街にあるセブン-イレブンでは、売上が前年比で2ケタ近く伸びたのです。このとき、セブン-イレブン・ジャパンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は次のような方針を示しました。

 「セブン-イレブンは、お客様の近くにあるお店なので、惣菜や生鮮3品(野菜、肉、魚)を含めて買いに行くには非常に便利です。短時間で、長く滞在せずに、いろいろなものを、いっぺんに買いそろえられます。そういうお店として、お客様の不安を解消できるような体制をつくっていきたい」

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