目次

  1. 1個600円はコンビニ弁当の上限価格
  2. 1000円ハンバーガー 高級化路線のその後
  3. ダイソーの100円商品が促す「ついで買い」
  4. 青果物、ベッドタウン中心に高い支持
  5. 各社が競う「コンビニならではの冷凍食品」
  6. 変わるコンビニの機能 客単価アップは続くか

 2022年2月、ファミリーマートは創立40周年キャンペーンの一環として、4種類の弁当「肉弁当 四天王」を発売しました。それぞれビーフハンバーグやとんかつがメインのおかずで、価格は税込み598円。温めないと食べられないチルド温度帯の弁当です。

ファミリーマートが40周年キャンペーンの一環として20年2月に販売した「特製とんかつ弁当」。税込み598円で、コンビニ弁当としては上位の価格帯だ(筆者撮影)

 この税込み約600円の価格帯は、コンビニ弁当の上限とみられています。大盛り系、ガッツリ系の弁当を除き、多くのお客がコンビニ弁当に許容するのはワンコイン(500円)程度までではないでしょうか。ついでに飲み物を買って、600円前後の昼食です。

 仕入れと販売に責任を持つ加盟店にとっても、弁当1個600円は発注を一瞬ためらう価格帯です。そのため、チェーン本部はタレントを使ったテレビCMを打つなどします。お客の購買意欲を刺激するだけでなく、加盟店にも積極的な販売を促すためです。

 筆者がファミマ本部の担当者に、いわゆる「コンビニ弁当」の価格帯を今後引き上げる狙いがあるのか尋ねたところ、首を大きく横に振りました。コンビニは客層が広いのだから、400円前後の弁当も残しながら、より品質の高い商品を提案していくといいます。

 ファミリーマートにとって、本格的なとんかつをメインに据えた弁当は初の試みです。専門店のとんかつ弁当を買っていた人たちに、レベルの高いとんかつをコンビニで買えると知ってもらえれば、定番商品化に向けた布石になるでしょう。

 仮にコンビニが付加価値の高い商品にシフトして、価格帯を上げていくと、現在のお客が置き去りになる可能性があります。個々は細心の注意が必要です。

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