会社案内パンフレットの作り方 構成からデザインまで7つの作成手順
人材採用や新規顧客開拓、会社のブランド力や認知度の向上に活用できる「会社案内」。デジタル化が進む中でも、会社概要をあえてパンフレットとしてまとめることで、幅広いシチュエーションで簡単に利用できる最強のツールになります。会社案内を作成する手順や活用方法について、具体的にわかりやすく紹介します。
人材採用や新規顧客開拓、会社のブランド力や認知度の向上に活用できる「会社案内」。デジタル化が進む中でも、会社概要をあえてパンフレットとしてまとめることで、幅広いシチュエーションで簡単に利用できる最強のツールになります。会社案内を作成する手順や活用方法について、具体的にわかりやすく紹介します。
目次
会社の事業や商品を紹介するとき、作り込まれた会社案内があれば、大きな助けになります。顧客やリクルート対象者はもちろん、幅広いステークホルダーに向けて、必要な情報を印象深く効率的にインプットできるからです。
だからこそ、会社案内は目的や用途に応じて、コンテンツを取捨選択し、デザインにも気を配る必要があります。
では、どうやって会社案内を作れば良いのでしょうか。大まかな手順は次のとおりです。
順に詳しく見てみましょう。
現在、さまざまなデザインツールがあり、経験が少なくても印刷物を作ることはできます。しかし、会社の公式冊子としての体裁を整えるためにも、制作会社や印刷会社、個人のデザイナーなどと一緒に制作を進めるのが無難です。制作工程の全体を見通しながら、必要なアドバイスと作業を進めてくれる会社やプロに制作を依頼しましょう。
制作会社やデザイナーを見つけたら、次は会社案内のコンセプトを固めましょう。どんなに見栄えの良い華やかな会社案内を作ったとしても、コンセプトが統一されていないと利用価値が下がってしまいます。
コンセプトを固めるときには、下記2点について考えてみましょう。
会社案内が利用される用途は、一つだけではないはずです。ありうるシチュエーションをすべて想定したうえで、さらにどこで誰が読むことが多いのかを限定すると、コンセプトが明確になりやすいです。
例えば、「新卒採用の説明会で大学生に幅広く配る」ことが目的であれば、職場としての魅力をわかりやすい言葉で書くことがコンセプトになります。「周年記念にブランドの一新を周知する」のであれば、会社の理念が伝わる言葉遣いやビジュアルが必要になるでしょう。
つづいてコンテンツの内容を決めます。基本的に会社概要(所在地、設立年月日、資本金、代表者、事業内容)、代表挨拶、拠点紹介は掲載したほうが良いでしょう。
そのうえで、コンセプトに則って、下記の内容を精査します。
項目 | 記載するときのポイント |
---|---|
企業理念 | もともと定められたもので良いが、ミッション、ビジョン、バリューを意識して、わかりやすく整理。 |
事業紹介 | 事業全体をわかりやすい言葉で説明すると良いでしょう。 |
製品・サービス紹介 | 製品やサービスのイメージが沸くように表現を工夫しましょう。ビジュアル(写真、図、グラフなど)を効果的に使って。 |
企業沿革 | コンセプトに沿って、載せる項目を選んで簡潔な年表を作りましょう。 |
企業・ブランドの強み | 企業理念や事業紹介と紐付けて表現しても良いかも。キャッチコピーやボディコピーに工夫をこらしたいので、制作会社のライターなどにも相談しましょう。 |
従業員の福利厚生や働き方 | リクルート目的の会社案内であれば、ぜひ載せたい項目。キャッチーな制度や支援があれば、フォーカスして記載しましょう。 |
CSRやSDGsへの取り組み | 大きな取り組みだけでなく、地域の清掃活動や、見守り活動などの地道な活動も好感度を上げてくれます。 |
※CSR=Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任
※SDGs=Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標
これらについては、すべてを総花的に盛り込むのではなく、必要な情報を印象的に配置することが大切です。例えば、新卒採用に使うことが目的であれば、職場としての魅力や福利厚生面などを盛り込むのも良いですが、主に営業ツールとして使うのであれば、社員の福利厚生に触れる必要はないでしょう。商品写真を大写しにしたり、主力サービスを見開きで紹介すれば、商談を進めやすいツールになります。
また、内容と同じくらい言葉遣いや文章のタッチも重要です。業界知識のない人に読まれることを想定しているのならば、平易な言葉遣いが求められます。一方で関連業界の人に読まれるのなら、専門用語なども盛り込んで、同業他社と差別化を図るのも一案です。
盛り込む内容が決まったら、どのような冊子にどうやって配置するかを検討します。制作会社に相談しながら、より効果的な形態を作り上げましょう。
仕様はサイズとページ数、折り方で決まります。
代表的なものは……
などです。読まれるシチュエーションを踏まえて、大きさやページ数を考えます。例えば、各店舗や事務所などに置いて幅広く会社の存在をアピールしたい場合、顧客が持ち帰りたくなるコンパクトな巻き三つ折りがおすすめです。沿革などを記載して本格的な会社案内にする場合は、8P以上のものが格式が感じられて良いでしょう。
さらに仕様に合わせてデザインを考えていきます。効果的なメインビジュアルを中心や表紙に配置したり、製品群をわかりやすく並べたり、理念を伝えるコピーを大きく見せたり。デザイナーと相談しながら、コンセプトを満たすデザインを検討してみてください。
コンセプトと仕様・デザインが固まれば、それに合わせて下記の素材を用意します。
写真や画像は、印刷に耐え得る解像度なのかも合わせて確認すると良いでしょう。テキストは基本的には会社で用意しますが、キャッチコピーや代表挨拶などは、適宜制作会社の力を借りても良いかもしれません。
制作会社が版下(印刷をするときの元になる原稿)を仕上げたら、数字や文言に間違いはないか、きちんと確認しましょう。色校正という印刷の色合いを確認する工程もあるので、写真や画像の色合いがおかしくないかも確認してください。
部数が決まったら、いざ印刷! 配送先を指定して、必要な場所で活用できるように整えておきましょう。
会社案内を制作・印刷するとどれくらい費用がかかるのでしょうか。これは、どんな業者に依頼し、どんな仕様で何部印刷するのかによって、大きく異なります。
例えば、以下の要素で変わってきます。
A3二つ折り/4Pを100部オーダーした場合、パッケージデザインにはめ込む簡単なものでは、格安印刷会社で2万円代から見受けられます。しかし同じような仕様でも、費用は数万円から100万円を超えるものまで幅広いので、まずは予算を設定したうえで、制作会社に相談することをおすすめします。
ようやく完成した会社案内、ぜひ有効に活用してほしいですよね。会社案内を使う場合、どんなことに気を配ったら良いかを、シチュエーション別に考えてみましょう。
基本的なことですが、商談先で手元にないと利用することができません。営業スタッフが利用しやすい場所(事務所の入口や営業倉庫など)に置いて、活用を促しましょう。
顧客に渡す際には、ぜひ名刺を添付しましょう。情報ツールをまとめることで印象が深まり、後に顧客が問い合わせるときにも利便性が上がります。
会社への関心や知識が皆無の人を引きつけるために、キービジュアルを見せるように説明会の入口のようなところに並べたり、面接や面談のときに配布したり、ページを開いてプレゼンしたり。会社へのイメージを喚起しましょう。
特定の人に渡すのではなく、店頭や営業所など幅広く読んでもらえるような場所に置き、持ち帰ってもらうのも一案です。関連する施設や場所に、いくつか置かせてもらうのも良い宣伝になります。
過去には創立70周年の会社がリブランディングを行い、コーポレートマークや制服の一新を行った際に、会社案内も新規に作成した例に関わりました。記念式典で関係者に配布しただけでなく、これを地域の駅にも置いて、地元への貢献を改めてアピールし、好評を得ていたことを覚えています。地域密着の企業ならではの、効果的な活用法だと思います。
トップ交代や組織の再編など、会社が大きく変わるときに会社案内を新たに作る意義は大きなものです。式典やイベント、社内行事などで配布することで、社内の変革に一役買ってくれるでしょう。
支社や営業所、店舗など、たくさんの拠点に配布することで、社内の意思をつなぐことができます。本社や事務所の一角に仕舞い込まず、ぜひ多くの場所へ展開してみてください。
ホームページを持つ会社が大半となった今、会社案内は時代遅れのツールと思われるかもしれません。
しかし、意図してWEB上でアクセスしてくる人々以外の、より多くの人に目を向けさせることのできる汎用性の高いツールでもあります。コンセプトに沿ってしっかりと作り込めば、営業やリクルーティング要員として、また社内をつなぐネットワークのように、しっかりと働いてくれます。魅力的で便利な会社案内をぜひ作ってみましょう。
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