目次

  1. 半年以上使える歯ブラシ
  2. インタビュー音声を公開

 チュラリストはプラスチックを一切使わず、すべて国内で生産しており、2022年から一般販売を始めました。持ち手に使っているブナの木はいすを作る時の端材を活用。木には天然塗料のエゴマ油を3度塗り、ブラシは食肉用の馬や豚の毛を使っています。

 「一般的に、プラスチックの毛だと1カ月で毛が開いて衛生効果が落ちてしまいます。チュラリストの毛はたんぱく質で微妙に歯に負けてくれるので、歯のエナメル質にも優しいという特徴があり、半年以上は使えます」

 村中さんはプラスチック樹脂成形メーカーの経営者でもあります。「プラスチックでなければできない製品もあり、それには誇りを持っています。一方で将来の環境問題を考えると何かしなければという思いがありました」。2018年、豪州で竹の歯ブラシに出会ったのをきっかけに、プラスチックフリーの歯ブラシを作ろうと決意しました。

 最初は協力企業を探しても、天然毛を使った歯ブラシは「リスクが大きい」と断られることも多かったといいます。それでも、知人の家具職人の協力で歯ブラシの持ち手が完成しました。懸案になっていたブラシの植毛も、70歳代の職人が手作業で技術を駆使しています。

 ラジオ形式のインタビューでは、歯ブラシの量産体制や技術継承、古い植毛機を扱う苦労に加え、衛生状態を保つためのメンテナンスサービス、クラウドファンディングに込めた村中さんの思い、来場者を引き付ける展示ブースの設計などについて語っています。 

 記事末尾のフォトギャラリーでは、チュラリストの製品やブースの様子などの写真をご覧いただけます。