目次

  1. 赤字・債務超過でも買収が行われるケース
    1. 市場における優位性が高い独創的なビジネスモデルを持っている
    2. 市場が一時的に下火になっているが将来的に回復が見込まれる
    3. サプライチェーンとなっている外注先を自社グループに参加させる 
    4. 競合他社を買い取ることで市場のシェアを上げる
  2. 利益が出ていても買収が困難なケース
    1. 役員・幹部・株主の反社チェックで引っかかる
    2. 売り手側・買い手側のコンプライアンス基準のズレ
    3. 経営者変更に伴う利益減少やコスト上昇
    4. 将来的な市場のシュリンクが予想される
    5. 従業員に対する労務上の問題が大きい
    6. 商標登録をしていない等の訴訟リスク
  3. M&Aは「一物一価」だが評価軸が変われば企業の価値も変わる

 M&Aでは、債務超過を抱えているなど、定量的に計算できる評価は低いにもかかわらず、高額で買収される企業があります。

 実際に私が担当した取引でも、債務超過を抱えていた企業が数億円で買収されるというケースがありました。

 以下では、そのようにPL上の数字としては問題を抱えているにもかかわらず、高い値段で買収された企業の事例を紹介します。

 ある業界において非常に強いブランド力や市場シェアを持っている企業の場合、定量的な収益などの評価とは関係なく、高額で売買されることがあります。

 成長産業に属し、かつそのエリアで先駆者的な位置にいる企業。あるいは、エッジが強く効いた事業に取り組んでいる企業。そうした「他の企業がお金を投資しても同一の事業状態を作れないような価値」を持った企業は、業界における他の企業やユーザーの認知度が評価された場合、高額で取引されます。

 私がM&Aアドバイザーを担当した取引のなかでも、大赤字を抱えているベンチャー企業が数億円で売れたケースがありました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。