目次

  1. 生地をかついで歩き回った
  2. 手書きのチラシをポスティング
  3. 「中サミ2022」勉強会を開催
  4. 「中サミ2023」、7月に開催決定

 1995年創業でアパレル製品のプレスや検品などを手がけるヤマサワプレスは、2020年にデニムのリメイクブランド「ワンオーファイブ・デニムトウキョウ」を立ち上げました。

 米国で廃棄された「リーバイス501」を20トン輸入し、デニムやジャケット、靴やバッグなどにアップサイクルして、大手百貨店などでも扱われるなど話題を呼んでいます。

ヤマサワプレスの「ワンオーファイブ・デニムトウキョウ」(同社提供)

 「ワンオーファイブ・デニムトウキョウ」は、立ち上げに動き出した直後にコロナ禍に見舞われました。山澤さんはトークセッションで、次のように話しました。

 「(緊急事態宣言で)百貨店が閉まる中、本業も月の売り上げが50%落ちるような状態でした。その中でも、新しいことに投資していかなくてはならない。本当につぶれるぞという危機感もありました。それでも、大量にデニムを購入していましたし、志を持って業界を変えようという気持ちは持ち続けました」

 「とにかく足を使って、デニムの生地をかついで歩き回り、業界内で面白いことをやっているよと伝えました。SDGsやサステイナブルという時流にも乗ることができ、盛り上がりを作れました」

 五穀祭菓をかのは1887年創業の和菓子店です。榊さんは2016年に家業に入り、19年に「葛きゃんでぃ」という葛を使った溶けないアイスを開発。テレビで取り上げられて大ヒットしました。しかし、ここからが逆境の始まりだったと、トークセッションで明かしました。

五穀祭菓をかのの「葛きゃんでぃ」(同社提供)

 「小さい工場で職人が手作りで生産していたのですが、計画なく売れるだけ売ろうとしたら、製造も販売も追いつかなくなりました。お客様からはクレームがあり、辞めてしまった職人もいました。周囲から『お前に経営なんてできるわけがない。早く金持ちをつかまえて結婚しろ』と言われ、悔しい思いもしました」

 榊さんもまた、地道な努力で逆境を乗り越えようとしました。

 「値上げに踏み切ったり、売れ行きが下位20%のアイテムを削ったりして、マイナスを減らすようにしました。一人のお客さんが店に来る大切さを刻み込むため、経費を使わず、手書きのチラシを毎日千枚ポスティングして回りました。怖い顔をしたお客様が店でチラシを出して、怒られると思ったら『これを見て来たよ』と。もう泣いちゃうだろ、と思いました(笑)」

 「葛きゃんでぃ」はさらに話題となり、榊さんがメディアで取り上げられる機会も増えました。22年には自身の名前を冠した和菓子ブランド「萌え木」を立ち上げ、さらなる成長を見据えます。

 ツギノジダイでは23年2月7日、「中サミ」の講演をもとに中小企業の採用力を高める勉強会を、東京都中央区築地の朝日新聞東京本社で開催します(※当初発表していた日程を変更しました)。

 LINEの青田努さん(Organization Successセンター People Experience Designer)の講演「採用に強い中小企業は何をしているか」を振り返り、視聴します。その後、参加者によるグループワークなども行い、参加者同士で気づきをシェアします。

 詳しくは下記のリンクをご覧ください。

 23年7月には第2回目となる「日本を変える中小企業リーダーズサミット 2023夏(仮)」の開催が決定しました。

 次回は3日間の開催を予定しています。第1回でフォーカスしたDXや人材獲得、売上向上、トレンドに加え、新規事業開発、働く環境の改善、販路拡大など中小企業の成長を後押しする講演を充実させる予定です。詳しい内容は、後日公表します。