目次

  1. 卒業式のビデオに背中を押され入社
  2. 売れない商品の悩みから生まれた大ヒット
  3. 「ラッキーな黒字」のあとに地道な改善
  4. 効率ばかりを見ず「やれることをやる」
  5. SNSの外にファンを広げたポップアップストア
  6. 「フォロワー数は目的じゃない」SNSの考え
  7. 取材をした老舗食堂からみた成功要因

――をかのに入社されるまでのキャリアを教えてください。 

 元々、その辺にいる埼玉のギャルって感じで、何も将来のことは考えていませんでした。転機は、大学に入ってしばらくして母が入院したことでした。うちは市内にある三店舗を家族で経営していて、母がいなければ成り立たないと思い「私がやるべきでは?」と感じたんです。でも最初は「なんの経験もない私は経営者にはなれないや」と諦めようとしました。

 そんな時、地元で同級生のお母さんに会って「お店継いだの?」って言われたんです。なぜその質問をしたのか聞いてみたところ、「(小学校の)卒業式で言ってたじゃない」と教えてもらいました。家に帰って卒業式のビデオを探してみたら、小学生の私が「お父さんとお母さんがやっている仕事を私もやりたい。みんなのためにおいしいお菓子を作るんだ」と言っていたんです。そうだ、私やりたかったんだと思い出し、親に継ぎたいと告げました。

 ただ、そのまま就職しても社会人の常識がないままではダメだと思って大学をやめ、元々アルバイトをしていたアパレル会社に就職しました。私は敬語も使えなかったし、ビジネスの常識が全くわからなかったんです。バイト時代含めて3年ほどアパレルで働いたのですが、社会人の常識を身につけられたのはもちろんのこと、接客の基本、働く側と経営者の違いを学ぶことができました。

榊萌美さんが考案した葛きゃんでぃ。しゃりっとした食感とさっぱりした甘さが特徴です。

 2016年、20歳の時にをかのに従業員として入社しました。現在は代表である父・信明をサポートする形で、商品開発やお店のリニューアル、マーケティングなどを担当しています。父は職人ということもあり、経営全般を私が見るという役割分担になっています。

――葛を使った溶けないアイス「葛きゃんでぃ」が大ヒットしました。商品はどう生まれたのでしょうか。

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