目次

  1. 1948年創業 老舗でも「変わって当たり前」
  2. お茶問屋で修行し製造工程を習得
  3. 若者が気軽に楽しめるお茶を
  4. 巣ごもり需要でお茶の消費が増加
  5. デザイナーと共にブランド構築

 赤松さんの家業、播磨屋茶舗(はりまやちゃほ)は1948年に祖父の五兵衛(ごへえ)さんが創業。当時から、現在の大手量販店イオンと取り引きがあり、現在もイオン系列店への卸が売上の大半を占めています。売上高は約3億1千万円。本社と姫路城前に店舗を持ち、現在の従業員数は31人です。

播磨屋茶舗の本店

 佳幸さんは「もともと当社には『変わって当たり前』という文化があります」と話します。この言葉通り、父の修二さんは、お茶を身近に感じてもらうために、いち早く、ティーバッグ加工に取り組んできました。

 2000年には自社工場を建設し、ティーバッグ加工を内製化。機械に強い技術者が多数在籍し、製造から機械のメンテナンスまで自社で完結できるため、上質なティーバッグをリーズナブルに作れることが強みだといいます。

茶葉をティーバッグに詰める充填機

 また、お茶に興味を持ってもらう入口として、姫路城前店では抹茶ソフトクリームを販売。全国に仕入れ先を持ち、健康茶やフレーバーティーなど、幅広い茶葉を取り扱っています。

 3代目として育った佳幸さんは、「他社で経験を積んでから家業に戻る方が将来的にプラスになる」と考え、大学卒業後は東京のフィットネス関連のベンチャーに就職。1年後に退職し、三重県のお茶問屋で2年ほど修業を積みました。

 「農家と小売店との間の機能を持つ問屋さんで修行しました。お茶の生産から生葉を仕上げ茶に加工する工程、小売りまでの過程を詳しく学びました。また、茶師6段からお茶の鑑定の仕方や工程による味の違いを教わりました。ここでの経験が今回の新ブランド立ち上げにも生きています」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。