目次

  1. 離職率の計算方法
  2. 離職を防止するうえでの注意点
  3. 離職率を下げた事例を紹介
  4. 離職率を下げるには?役立つ記事をPDFでダウンロード

離職率=離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)

 ただし、4月1日は期初めの企業は4月1日時点の常用労働者数で計算する場合が多いです。厚労省の雇用動向調査によると、2021年(令和3年)離職率は平均で13.9%。新型コロナの影響もあり、ここ2年は低く抑えられています。産業別の離職率を合わせて紹介します。

離職率の推移(厚生労働省の2021年雇用動向調査をもとに編集部作成)

宿泊業・飲食サービス業……25.6%
生活関連サービス業・娯楽業……22.3%
その他サービス業……18.7%
教育・学習支援業……15.4%
医療・福祉……13.5%
卸売業・小売業……12.3%
学術研究・専門・技術サービス業……11.9%
運輸業・郵便業……11.5%
不動産業・物品賃貸業……11.4%
鉱業・採石業・砂利採取業……10.0%
製造業……9.7%
建設業、金融業・保険業……9.3%
情報通信業……9.1%
電気・ガス・熱供給・水道業……8.7%
複合サービス事業……8.1%

 離職防止の取り組みとして、退職する理由をヒアリングするアドバイスを見聞きすることがありますが、これには注意が必要です。離職する側は円満退社をしたいため、なるべく事を荒立てたくないよう発言をすることがあります。社内の問題点を指摘しても分かってもらえないと感じている離職者も少なくないことを前提に耳を傾けてください。

 東京都文京区の原田左官工業所は、3代目の原田宗亮さんが、スポーツ界で採り入れられている「モデリング」と呼ばれる人材育成システムや女性職人の活用、働きやすい環境づくりに取り組んだ結果、若手の離職がほぼゼロになりました。

社内講習会の様子(原田左官工業所提供)

 愛知県半田市の塗装会社・筒井工業は、社員の定着率の低さが悩みでしたが、プロパー社員出身の4代目は、自身のマインドを変え、社員の育成を見直す「働きがい改革」で離職率が大幅に低下。ノウハウをパッケージ化し、他社へのコンサルティングも始められるほどになりました。

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