目次

  1. 銀行側から「あなたが会社を経営してください」
  2. 「ここまでできるのか」と反響を呼んだ展示会
  3. 「もう限界」と取引先に告げた
  4. 技術の向上がリスク分散にも
  5. 若い社員の定着のため脱・年功序列
  6. 取引にも採用にもつながる情報発信
  7. コロナ禍をリスク分散で乗り切ったが…
  8. 研磨を通じたチャレンジを続ける

 東商技研のもとに、メインバンクの支店長がやってきたのは2012年のこと。リーマン・ショックでダメージを受けた会社の立て直しを進めているころでした。このときは先代が財務を管理しており、今野さんは詳細を知りませんでしたが、銀行側から告げられたのは、累積赤字が5千万円、長期借入金が1億5千万円という厳しい実態でした。

 「驚きました。資本金が1千万円なので、完全に債務超過です。いつ倒産してもおかしくない状態でした」と振り返ります。

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