目次

  1. ビッグモーターの保険金不正請求事件とは
  2. サプライチェーン企業、建設業が4割超

 ビッグモーターは全国で260店舗以上展開する中古車買取・販売大手です。従業員は2021年2月時点で6000人を超えていました。

 2023年7月、車を傷つけて自動車保険の保険金を水増し請求していたことが発覚しました。ビッグモーターが2022年11月から自社の8427件の保険金申請を調べた結果、15・1%の1275件(4995万円)で何らかの不適切な行為が見つかったと7月18日に明らかにしました。全容解明にはなお時間がかかる見通しです。

 帝国データバンクは、2023年7月時点のデータをもとに、ビッグモーターへ部品などのモノやサービスを提供する周辺産業の特徴や取引規模を推計しました。

 調査結果によれば、ビッグモーターに対し、売上高の1%以上を依存しているサプライチェーン企業は、全国に410社あるといいます。内訳を調べると、直接取引のあるTier1は156社。間接取引のあるTier2は229社、Tier3は25社でした。サプライチェーン企業にもたらされる売上高の合計は224億円に上るといいます。

 業種別では、以下の通りです。

自動車部分品・付属品卸売…40社
建築工事…22社
内装工事…20社
土木工事…13社
一般貨物自動車運送…13社
中古自動車小売…12社
受託開発ソフトウェア…12社
鉄骨工事…11社
とび工事…9社
金属製建具工事…8社

 建設関連業種が全体の4割を占める理由について、全国に多店舗展開の戦略を採っていることが影響していると帝国データバンクはみています。