目次

  1. はじめに
  2. 実際にあった失敗例
  3. 商標登録出願の手順
  4. 出願する商標の決定
  5. 指定商品・指定役務の決定
    1. 商標と「指定商品・指定役務」はセット
    2. 商品・役務の類似は「類似群コード」で判断
    3. 構想段階の事業も記載を
  6. 区分の決定
    1. 区分とは
    2. 費用との関係
    3. 指定商品・役務との関係
  7. 商標調査
  8. 出願書類の作成と確認
    1. 出願書類のチェック
    2. 出願人の名義は?
  9. 不適切な登録で失敗した店
    1. A社長の事業概要
    2. 独学で取得した商標権
    3. 店名変更を余儀なくされた理由
    4. 店が取るべきだった対応は

 前回「商標登録を怠ってチャンスを逃した工場 商機をつかむ商標権活用の基本」では、登録可能な商標の要件について説明しました。今回は、商標登録出願の具体的な手順と「指定商品・指定役務」や「区分」などの専門用語について解説します(※本稿では弁理士に依頼して出願手続きを行うことを前提としています)。

 まずは、実際にあった失敗事例を紹介します。唐揚げ専門店の創業者A社長が弁理士に、次のような相談をしていました。

 「先生、このお店の名前を見てください。うちの会社の商標とそっくりだ。これって訴えたら勝てますよね?登録証だってちゃんとあるんですよ!」

 ところが、パソコンを使って調べ始めた弁理士の顔がみるみると曇っていきます。

「うーん、これはまずいな…。」

 きちんと商標登録がされているというのに、何か問題でもあったのでしょうか(この事例の詳細は記事の後半で解説します)。

 担当する弁理士の方針にもよりますが、多くの場合は以下の流れで出願手続きの準備をします。

  1. 出願する商標の決定
  2. 指定商品・指定役務の決定
  3. 区分の決定
  4. 商標調査
  5. 出願書類の作成と確認

 それぞれについて、次章から詳しく説明します。

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