目次

  1. 必要な仕事に社員を配置する
  2. あいまいさを排した評価を
  3. 現場の声が上がる体制整備を
  4. 部下と感情的なやり取りをしない
  5. 部下の位置関係が崩れない接し方を

 女性の活躍を推進する上で最初に考えたいポイントは、任せる仕事についてです。女性社員に活躍してもらいたいからといって、その社員のスキルや適性にあった仕事を無理やり与えたり、あるいはつくり出したりしていませんか。

 このような「適材適所」の考えで社員の仕事を決めてはいけません。組織にとって不必要な仕事が生まれてしまうためです。社員からしても、せっかく成果を残したのにそれが会社の発展につながらなければ、いい思いはしないはずです。社員の役割を決める際は、最初に自社に必要な仕事をピックアップし、そのポジションに今いる社員を当てはめるか、場合によっては新たに人を採用して仕事を任せていきます。この「適所適材」の考えが大切です。

 重たい荷物を日常的に動かすような腕力が必要な仕事でもない限り、性別で仕事を分けるべきではありません。「これは男性、これは女性」などと区別しているようでは女性活躍への道は程遠いでしょう。

 次に大切なのは評価の仕方です。性別に関係なく立場が同じなら評価項目を同一にするのはもちろん、「積極性」や「協調性」といったあいまいな観点ではなく、数字で分かる結果だけを見て評価するようにしてください。

 項目を定量化すれば公平な評価が可能になります。積極性のような要素を評価項目にすると、評価者と被評価者の間で認識のずれが生じます。つまり、評価者の目から見て5段階中「2」の評価に見えた社員が、「自分は『4』ないし『5』の評価を得られて当然」と考えているケースがあるのです。

 あいまいな評価項目を採用している会社では、成績に関係なく上司のお気に入りの社員が高い評価を得ていきます。「出世したければ上司に気に入ってもらう必要がある」となれば、男女関係なく社員にとっては大きなストレスです。それに、女性社員がしっかり成果を残したとしても、「あの人は女性だからひいきされている」といったやっかみを受ける恐れさえあります。

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