目次

  1. 阪神高速道路、なぜ料金見直し? 国の審議会で議論
    1. 阪神高速の上限料金を引き上げ 新料金を紹介
    2. 阪神高速の大口・多頻度割引を拡充
    3. 阪神高速の深夜割引を導入
    4. 大阪・神戸都心迂回割引を導入
    5. 神戸都心流入割引を拡充
    6. 阪神高速の大和川線・堺線乗継割引を導入
    7. 阪神高速の関西国際空港方面割引を導入

 阪神高速は、これまでの状況について「上限料金の設定により都心通過交通の料金が低く抑えられ、所要時間を要するにもかかわらず、都心部に交通が集中している」と説明。国交省の審議会で料金体系の見直しに向けた話し合いが進められてきました。

 そのなかで、新たな高速道路料金が2024年6月1日0時から導入されることになりました。主な制度を紹介します。詳しいルートや料金は、阪神高速の特設サイト「阪神高速の料金が変わります」へ。

 料金変更のポイントを紹介します。

 阪神高速は、2017年度から料金水準や車種区分について、対距離制を基本する方針に切り替えましたが、物流への影響や非ETC車の負担増などを考慮して、激変緩和措置として上限料金を設定していました。

 しかし、今回、対距離制を基本とした公平な料金体系の更なる前進に向けて、上限料金を見直すこととなりました。

阪神高速の上限料金の変更点
阪神高速の上限料金の変更点(イラストはいずれも阪神高速の公式サイトから https://www.hanshin-exp.co.jp/drivers/)

 これまでの上限距離(軽自動車は31.5km、普通車は32.3km、中型車は33.1km、大型車は33.7km、特大車は34.4km)を超えて利用する場合、新たな上限料金まで距離に応じた料金となります。

 たとえば、これまで上限は普通車で1320円、大型車で2080円でしたが、2024年6月からは、普通車で1950円、大型車で3110円となります。

 新料金体系は、大口・多頻度割引を35%から45%に拡充します。

阪神高速の大口・多頻度割引の変更点
阪神高速の大口・多頻度割引の拡充のポイント

 都心部の渋滞緩和を図るため、0~4時までの間に阪神高速に流入する利用について、20%割引を導入します。

20%割引を導入する阪神高速の深夜割引
20%割引を導入する阪神高速の深夜割引

 大阪都心部を通過する交通の迂回を促進し、都心部の渋滞緩和を図るため、2020年3月の大和川線全線開通を踏まえ、大阪都心迂回割引を新たに導入します。

大阪都心迂回割引の導入のポイント
大阪都心迂回割引の導入のポイント

 神戸都心部を通過する交通の迂回を促進し、都心部の渋滞緩和を図るため、中国自動車道から新名神高速道路への交通転換を踏まえ、神戸都心迂回割引を新たに導入します。

神戸都心迂回割引の導入のポイント
神戸都心迂回割引の導入のポイント

 神戸都心部と都心部西側間の交通について、交通の分散を図るため、経路によらず起終点間の最短距離を基本に料金を決定する神戸都心流入割引を2017年6月から導入しています。

 今回、中国自動車道から新名神高速道路への交通転換を踏まえ、都心部東側間の交通にも神戸都心流入割引を拡大します。

神戸都心流入割引
神戸都心流入割引

 2020年3月の大和川線全線開通を踏まえ、大和川線と堺線のジャンクション化を検討するとともに、大和川線と堺線を一般道路を経由して引き続いて通行する場合、これを1回の通行とみなす乗継割引を導入します。

阪神高速の大和川線・堺線乗継割引の仕組み
阪神高速の大和川線・堺線乗継割引の仕組み

 大阪都心部と関西国際空港方面を結ぶ交通について、上限料金改定に伴う激変緩和措置として、上限料金を1320円(普通車の場合)とする関西国際空港方面割引を導入します。

阪神高速の関西国際空港方面割引の導入の仕組み
阪神高速の関西国際空港方面割引の導入の仕組み