LPガス容器用バルブの値上げでカルテル 独禁法違反事業者と課徴金一覧
LPガス容器用バルブの価格を事前協議して値上げする行為が独占禁止法の禁止するカルテルにあたるとして、公正取引委員会は2024年6月27日、メーカー5社に対し、合計約7億円余りの課徴金納付命令と排除措置命令を出しました。メーカー5社のシェア合計は100%で、LPガス容器用バルブの競争を実質的に制限していたと認定しました。
LPガス容器用バルブの価格を事前協議して値上げする行為が独占禁止法の禁止するカルテルにあたるとして、公正取引委員会は2024年6月27日、メーカー5社に対し、合計約7億円余りの課徴金納付命令と排除措置命令を出しました。メーカー5社のシェア合計は100%で、LPガス容器用バルブの競争を実質的に制限していたと認定しました。
公取委が公表した独占禁止法違反の事業者名と課徴金額の一覧は以下の通りです。いずれも課徴金減免制度を適用しています。
ハマイ(東京都品川区)…4億5459万円
宮入バルブ製作所(東京都中央区)…1億4859万円
宮入商事(大阪府池田市)…4244万円
東京宮入商事(大阪府池田市)…4125万円
富士工器(名古屋市中区)…2277万円
公取委の公式サイトによると、ハマイ、宮入バルブ製作所、宮入商事、東京宮入商事の4社は2021年3月以降、特定LPガス容器用バルブの原材料である黄銅の価格の高騰への対応策について協議していたところ、自社の利益の確保を図るため、2021年4月27日までに、4社の営業責任者級らによる会合を開催して、6月以降、特定LPガス容器用バルブの需要者向け販売価格の引き上げ後の目標価格を900円以上とすることを合意したといいます。
富士工器は、2021年5月14日までに、ハマイから会合内容の伝達を受けて合意に参加しました。
4社はその後も、特定LPガス容器用バルブの原材料である黄銅の価格が引き続き高騰していたことなどから、自社の利益の確保を図るため、2022年4月26日までに、4社の営業責任者級の者らによる会合を開催して、6月以降、特定LPガス容器用バルブの需要者向け販売価格の目標引き上げ額を200円以上とすることを合意しました。
富士工器は、遅くとも2022年5月16日までに、ハマイから会合の内容を伝達され、合意に参加しました。
こうした合意を受けて、5社は共同して、特定LPガス容器用バルブの需要者向け販売価格を引き上げる旨を合意することで、公共の利益に反して、特定LPガス容器用バルブの販売分野における競争を実質的に制限していたといいます。
公取委はこうした行為が独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反するとして、カルテルをやめるよう排除措置命令及び課徴金納付命令を出しました。
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