目次

  1. 独禁法違反事業者と課徴金額一覧
  2. 中学校スクールランチ調理等業務とは
  3. 公取委が認定した違反行為
  4. 排除措置命令の概要 課徴金、6社で3.9億円

 公取委が公表した独占禁止法違反の事業者名と課徴金額の一覧は以下の通りです。

  • 日本ゼネラルフード(名古屋市)…1億3287億円(課徴金減免制度を適用)
  • 魚国総本社(大阪市)…9629万円
  • メーキュー(名古屋市)…5517万円
  • ミツオ(名古屋市)…4950万円
  • 松浦商店(名古屋市)…3865万円(課徴金を減免)
  • 葉隠勇進(東京都)…2048万円(課徴金を減免)
  • コンパスグループ・ジャパン(東京都)…免除
  • サンフード(コンパスグループ・ジャパンが吸収合併)

 違反企業の一部は、事業者の実態解明への協力度合いに応じた減算率などを適用する「調査協力減算制度」により、課徴金が減免されています。

 名古屋市の中学校では、スクールランチと呼ばれる特色ある給食を実施しています。

 公取委によると、談合の対象となった中学校スクールランチ調理等業務とは、名古屋市立の中学校(110校)向けに、受託事業者の工場での調理、学校配膳室での盛付け・配膳、各学校への配送・回収及び食器類の洗浄・消毒・保管等を行うことにより給食を提供する業務です。

 18ブロック(名古屋市の行政区16区及び2中学校)に分割し、名古屋市が競争入札で発注していました。

 8社は、遅くとも2017年以降、中学校スクールランチ調理等業務について、受注価格の低落防止等を図るため以下の合意をしていました。

  • 受注予定者を決定する
  • 受注予定者以外の者は、受注予定者が受注できるように協力する

 そのうえで、次のような取り決めで受注予定者を決定し、8社のなかで中学校スクールランチ調理等業務のすべてを受注していたといいます。

  • 原則として、ブロックごとに既存業者を受注予定者とする
  • 既存業者が受注を希望しなかった場合、他の入札参加者のいずれかを受注予定者とする
  • 受注予定者以外の者は、受注予定者が定めた価格より高い価格で入札価格を提示するまたは入札を辞退する

 公取委は、公共の利益に反して、中学校スクールランチ調理等業務の取引分野における競争を実質的に制限していたとして、2024年5月22日、名古屋市が発注する中学校スクールランチ調理等業務の入札参加業者に独占禁止法にもとづき、コンパスグループ・ジャパンとサンフードを除く6社に対し、排除措置命令及び課徴金納付命令を出しました。

 公取委によると、すでに談合は取りやめられたといいますが、6社は2024年12月23日までに、総額3億9296万円を支払う必要があります。