目次

  1. 物流のコーディネートを担う
  2. フラメンコダンサーから転身
  3. 年2500件のKAIZEN
  4. 花壇づくりが社長賞に
  5. ベトナム工場をゼロから立ち上げ
  6. フラメンコの経験が「共創」に
  7. 工場をショールーム化
  8. 世界のモノづくりを円滑に

 TSKは富山製紙所として創業し、製袋業としてダム建設や戦後の復興事業に必要なセメントの袋から、化成品の原材料の袋へと展開。1990年代にはエレクトロニクス製品の緩衝材事業に進出しました。包装するアイテムは現在、自動車部品、電子機器、日用品にまで広がっています。

TSKが開発した緩衝材(TSK提供)
TSKが開発した緩衝材(TSK提供)

 2019年、TSKに社名変更し、メーカー向けに物流のトータルコーディネートを手がけています。社名には「とってもすてきな会社」という意味を持たせました。

 事業内容は包装資材の提案、台車やコンベヤーなどマテハン機器の設計・製造・販売、配送の代行、物流関連システムの提案など多岐にわたります。年商は約33億円、従業員数は111人(2024年5月時点)です。

 高木さんが子どものころ、父・悦郎さん(現会長)が社長でした。「父は朝早く出て夜遅く帰り、土日にも会社にどっぷりでした。時々、僕と妹も連れて出社し、2人で中庭の木に登って遊んでいたのを覚えています」

 祖母からは冗談まじりに「4代目!」と呼ばれたものの、父から仕事の話をされた記憶はなく、継承を考えたことはありませんでした。ただ、印象に残る中学生時代の思い出があります。

 「夏休みに父の書斎にあったビジネス本『ビジョナリーカンパニー』(ビジネス思想家・ジム・コリンズの代表作)を読んで、読書感想文を書きました。自分なりにビジネスや経営に興味を持っていたのかもしれません」

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